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リレーコラム我ら淀人(よどんちゅ)

コラムニスト プロフィール
氏名:久保 和功(くぼ かずのり)
職業:競馬評論家


主に関西にて活動する、中央競馬の競走馬及びデータ収集・研究を行う競馬予想・評論家、独自の理論「京大式」の予想術で各種競馬メディア・競馬関連のサイトで活躍中。

第4回

「京都芝コース攻略法!」

1ヶ月に渡る6月の阪神開催が終了。締め括りの宝塚記念では京都馬主協会の前田幸治様の所有馬アーネストリーが見事に優勝。2分10秒1のレコードで駆け抜けて、女王ブエナビスタ、並びに最強4歳勢の追撃をしのぎ切りました。当サイトの「今週の注目馬」の馬主コメントにも書いてあったとおり、金鯱賞を叩いて“最高の出来”だったようです。今秋の活躍も楽しみです。
さて、今週からいよいよ京都開催が始まります。“中4週”のローテーションで、馬場も回復していると思います。前回のコラムではダートの攻略法についてお話ししてみましたので、今回は芝の攻略法について書かせて頂きたいと思います。
京都の500万条件の基準時計
(※表1)に昨年の古馬500万条件における、上位馬(1~3着)の所要タイム、前半3F、後半3F、各々の時計の平均を調べてみました。
外回り1600m戦では1分35秒1(前半35秒7-後半34秒0)。明らかに後半の方が速く、500万条件ですら上がり33秒台が要求されます。特に1600m戦の上がりが最も速くなっています。
次に注目する点は、距離が長いにも関わらず、2200m戦、2400m戦ともに前半35秒2と速い点。逆に1400m戦はペースが落ち着く傾向にあります。「距離延長=ペース緩む」とならないのが、以下で示す「上がり最速馬」の成績にも影響しています。
京都外回りコースは「上がり最速馬」の独壇場
傾向が顕著なコースの一つに京都外回りコースが挙げられます。速い上がりをマークした馬、特に「上がり最速馬」の成績が非常に優秀な舞台です。(※表2)に京都外回りの「上がり最速馬」の成績を調べてみました。
昨年は計147クラが行われ、勝率24.5%、連対率42.9%と高く、複勝率は約60%にも及びます。そのうちで1400m戦だけは例外で、21クラ中で「上がり最速馬」の勝ち星はなし。幾ら速い上がりを使ったとしても、後方からでは差し届いていません。
その他の距離はすべて50%超えと高く、特に2200m戦の複勝率81.3%、2400m戦の複勝率70.8%は脅威的な数値です。
一方(※表3)は2010年の京都・芝外回り2200m~2400m戦の重賞における「上がり最速馬」の成績です。
昨年は5クラ組まれていましたが、メイショウベルーガ、ジャガーメイル、ドリームジャーニー、レーヴドリアン、オウケンブルースリ、スノーフェアリーはすべて3着以内。
4角のポジションに関わらず、最速上がりをマークすれば、複勝率は100%。如何に速い上がりをマークできるかが、京都外回りコースのポイント。短距離の1400m戦を除いては、4角のポジションが後方でも大丈夫です。
今回のまとめ
・芝の外回り戦では500万条件でさえ、上がり33秒台の末脚が必要
・2200m~2400m戦のペースは速く、逆に1400m戦はペースが落ち着く
・外回り2200m戦では「上がり最速馬」は複勝率81%を超える
・外回り1400m戦のみ「上がり最速」でも届かない

4週に渡りお送りいたしました久保和功の「馬時京風」、私なりの概ねの京都コース攻略法をお話していきましたが、如何だったでしょう?今週から始まる京都開催、そして秋の開催にて皆様のレース予想・馬券検討の参考に少しでもなれば幸いです。
さて、私のコラムは今回で終了となりますが、「リレーコラム馬時京風」はもちろん来週以降もつづきます。私のバトンを受け取って来月のコラムを担当されるのは、お笑いタレントの池山心さんです。吉本きっての競馬通として、また長年のTVでの競馬中継の司会として関西競馬界で活躍されている氏のお話、私自身も楽しみにしております・・・皆様来週からの「馬時京風」も是非ご期待下さい。
それでは、みなさん夏の京都開催、存分に楽しみましょう!
久保 和功

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