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リレーコラム我ら淀人(よどんちゅ)

コラムニスト プロフィール
氏名:久保 和功(くぼ かずのり)
職業:競馬評論家


主に関西にて活動する、中央競馬の競走馬及びデータ収集・研究を行う競馬予想・評論家、独自の理論「京大式」の予想術で各種競馬メディア・競馬関連のサイトで活躍中。

第一回

「京都競馬場を攻略せよ!」

サイトを閲覧して頂いている読者の皆さま、そして京都馬主協会の皆さま。
初めまして、久保和功(くぼ かずのり)です。
私の事を知らない方もおられると思いますので簡単に自己紹介をさせていただきますと。私、久保和功は主に関西を拠点として、各種競馬メディア(競馬@NIFTY・関西サンスポ・競馬王、等)での予想掲載や、自身のサイト・ブログでの競馬情報の発信と「ハイブリッド新聞(PC・携帯版の競馬新聞)」の発行、を通して競馬予想及び論評の活動をさせてもらっております。
この度は「京都競馬場を攻略せよ!」という指令を受け、ラップ面、馬体面から気になるポイントを調べてみたいと思います。それが読者の皆さまの馬券、さらには京都馬主協会の会員さまの愛馬の1勝のヒントになれば幸いです。
阪神より京都の方が時計は速い?
さて、京都と阪神の最大の違いと言えば、「直線の長さ」と「ゴール前に坂があるかどうか」という点。京都の直線はほぼ平坦で、外回りの直線は約400m。それに対して阪神は、ゴール前に高低差1.8mの急坂があり、直線は約470m。このコース特性の差が、時計面にどう影響するのでしょうか。
実際に昨年の古馬500万条件における、芝外回り1600m戦の上位馬(1~3着)の時計を比較してみました。阪神は1分34秒5(35秒3-34秒6)、京都は1分35秒1(35秒7-34秒0)。平坦の京都の方が時計が速いと思っていましたが、実は阪神の方が約0秒6速くなっています。ところがラップを見てみると、京都は35秒7-34秒0と明らかに後半の方が速く、500万条件ですら上がり33秒台が要求されます。次回以降で説明しますが、ココが馬券の一つのポイントとなります。
ダートは1800m戦で比較してみましょう。阪神が1分53秒6(37秒2-38秒0)、京都は1分53秒2(37秒1-37秒2)となり、前後半3ハロン&走破時計の何れも京都の方が速くなっています。レコードタイムは阪神が1分48秒5に対して、京都は1分47秒8。ダートは約0秒5、京都の方が速いと考えてよさそうです。
「最速上がり馬」の連対率は?
近年の競馬は上がり順位→結果に直結します。それでは実際に「最速上がり」をマークすれば、どれくらいの確率で絡んでくるのでしょうか。
芝レースでは313頭が該当(1Rで2頭該当の場合あり)。「最速上がり馬」は勝率25.6%、連対率45.4%、複勝率59.7%となります。外回りに限定しても、勝率24.5%、連対率42.9%、複勝率59.9%と変わりません。
つまり「最速上がり」をマークすれば、4回に1度は勝てる計算。5回に3度は3着以内に絡む計算となります。「最速上がり」をマークしそうな馬がいれば、ワイド・3連複などの軸には最適です。
ダート戦はどうでしょうか。勝率は39.0%、連対率57.2%、複勝率68.0%となります。昔は先行して粘り込みを図れたダート戦も、近年は必ず速い上がりが必要とされます。ダート戦は前残りのイメージがあったので、「最速上がり馬」の成績が芝より良いのは意外でした。
「逃げ馬」の連対率は?
対して「逃げ馬」の成績はどうでしょうか。芝レースで4角を先頭で回った馬の成績を調べてみると、257頭中で勝率は17.1%、連対率34.2%、複勝率44.0%となります。対するダート戦は288頭中で勝率21.9%、連対率38.2%、複勝率48.6%。芝もダートも4角先頭なら、半数近くは3着以内に残るということです
4コーナーのコース取りによる有利・不利
4角で外を回ればどれだけ影響があるのでしょうか?芝のコース取りによる成績を調べてみると、勝率は最内=11.9%、内=8.6%、中=7.1%、外=5.9%、大外=2.5%となります。最内が最も高く、大外とでは約5倍の差。近年は開催が進んでも、以前ほど馬場の内も荒れてきません。JRAの馬場造園課の努力によって、圧倒的に内有利な状況が作り出されています。
ダート戦では、勝率は最内=11.9%、内=8.2%、中=6.6%、外=4.8%、大外=0.9%となります。芝と同じで最内→大外を回るにつれて、成績が下がっています。4コーナーで大外を回れば、ナント勝率は1%以下。ムリをしてでも前半で内を取りに行くか、追い込むにしても内でジッと我慢しなければなりません。逆にいえば、4角大外で敗れた馬の巻き返しには注意する必要があります。
今回のまとめ
・ダートは阪神より京都の方が約0秒5速い。
・芝は阪神、京都の時計は同じ。ただし、京都は上がり33秒台が必須
・「最速上がり馬」は芝・ダート問わず、6~7割の確率で馬券に絡む。
・芝もダートも4角先頭なら、3着以内率は40%台
・ダートで4角大外を回れば、勝率は1%未満
さて、次回のコラムでは、今回のまとめを下敷きに「ディープインパクト産駒の瞬発力」について語っていきたいと思いますので、楽しみにお待ち下さい。

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