当協会会員、前田幸治氏所有馬ラニ号が、アメリカクラシック3冠レースに挑戦しました。
ラニ号は、天皇賞(秋)優勝馬ヘヴンリーロマンスを母、北米リーディングサイヤーTapitを父に持つ、ケンタッキー州産まれの3歳牡馬
(松永幹夫厩舎)。
3月26日、ドバイ・メイダン競馬場で行われたUAEダービー(GⅡ)に勝利し、ケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ)への出走権を獲得。
ドバイからアメリカへと移動したラニ号は、現地での不慣れな環境の中で苦労しながらも、日本調教馬としては史上2頭目、21年ぶりに同レースへの出走を果たし、結果は9着。
その後、中2週で行われた2冠目プリークネスS(ピムリコ)に出走。レース当日は土砂降りの雨による最悪の馬場コンディションであったにも関わらず、ゴール前では伸びを見せる勇敢なレースで5着となりました。
ラスト3冠目、ベルモントS(ベルモントパーク)は、距離・コース共に「最も適している」と陣営が勝利を最も期待していた大一番。
向正面から徐々に進出を開始し、最後の直線では、先に抜け出した2頭を外から猛追するも、残念ながら捉えることはできず、ハナ-1 1/2馬身差の3着の結果で、3冠レースへの挑戦を終えました。
松永幹夫調教師は、「彼の競馬はできたがあと一歩。また海外のレースにチャレンジしたいです。」と新たな世界挑戦に意欲を語りました。
3戦全てに騎乗した武豊騎手は、「タフな3冠全てに出走し、レースを盛り上げた1頭となったラニは素晴らしいと思います。また彼と一緒にアメリカに来たいですね。」とパートナーを労いました。
日本調教馬が米3冠全てに挑戦したのは史上初、また今年3戦全てに出走を果たしたのも、ラニ号を含めてたった2頭。5週間にGⅠ・3戦が行われる過酷な米3冠の全てに出走し、着順を9着-5着-3着と上げ、日米の競馬史に新たな道を切り開いたラニ号の偉業達成と、陣営の果敢なるチャレンジングスピリットに大きな拍手と賛辞を贈りたいと思います。