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マイケル・タバート オーナーに聞く

去る4月26日(土)にオーストラリアのロイヤルランドウィック競馬場で行われたオールエイジドステークス(G1)で 見事優勝の栄冠を獲得したハナズゴール号について、HPコラム「夢への第一歩」でもおなじみ大恵陽子がオーナーの マイケル・ タバートさんにお話をお伺いしました。

海外GⅠへの挑戦

―― オーナーあらためまして、ハナズゴール優勝おめでとうございます。海外GⅠそれも故郷オーストラリアの優勝感慨もひとしおのことと思います。 今回の遠征をお決めになられたのはいつ頃のことでしょう?またそのキッカケなどがあればお聞かせいただけますでしょうか?

今回の遠征は、昨年の11月末頃に加藤調教師を中心としたスタッフと相談して決定しました。ハナズゴールに関しては私、関係者を含め、 能力は秘めていると信じていました。ただ、レースを国内に限定すると彼女に合う条件の競走は限られていますし、色々な意味で出走のハードルも非常に高いとも言えます。 それならと言う事で海外に目を向けてレースを探し、出走の現実性や負担重量等の条件面、そしてコースへの適正等を加味し、 今回のオーストラリア遠征2戦目のドンカスターマイル(GⅠ)を目標に定め、前哨戦のクールモアクラシック(G1)を含めてのローテーションを決定しました。

マイケル・タバート オーナー

―― 当初、オーストラリアでのレースは2戦とのお話もメディア等で流れていましたが、オールエイジドステークス(G1)への出走はどのような経緯があったのでしょうか?
実は、オーストラリアの2戦の後に香港のチャンピオンズマイル(GⅠ)を視野に入れてはいたのですが、レーティング等を含めての条件面で最終的に選にもれてしまいましたので、 日本に帰るつもりで検疫等の予定も入れていました。 ところが、加藤調教師から電話が入り「レースを使ってから凄く調子が上がっているのでもう一走どうですか?」と相談があり、それなら!とオールエイジドSへの出走を決めました。 今思うと、あの電話がなければレースへの出走もありませんでしたし、もちろん優勝もありませんでした。それが証拠に、 今回現地へ同行いただいた加藤調教師の息子さんの士津八調教助手などは郵便局で荷物を日本へ送り返す手続きをしていたぐらいですから。ホントに神の電話でしたね。(笑)
―― 初めての海外遠征、ハナズゴール含めスタッフの皆様にも大変な事が多かったかと思うのですが、現地での彼女(ハナズゴール)の様子はいかがでしたか?
はい。もともと環境の変化には敏感な馬で、国内でも関西で出走の際には早めに栗東入りをしているくらいですので少し心配していました。 でも、オーストラリア入りしてからは同行していただいた加藤厩舎の士津八調教助手や厩務員の野元さん、そして現地でのサポートにご尽力いただいた繁見さん達のおかげもあり、 非常に元気よく過ごしていたようです。 オールエイジドS出走時には馬体重も450kg台にボリュームアップしていたようで、こんなことは今まで日本ではありませんでしたので、私同様彼女もオーストラリアの水が合ったのかもしれませんね。

オールエイジドステークス

―― レース当日はオーナーももちろん競馬場におられたと思うのですが?当日の競馬場の様子はどのようなものだったでしょうか?
実は私、当日は日本にいたんです。妻の実家に行っており、レースはipad観戦でした。ちょうどスタートの時にお客様が来られて、あれれ…レース始まるって・・・(笑) 競馬場にはオーストラリア在住の両親が応援に行っていました。 父親は今回のオーストラリア遠征ですっかり馬主気分でしたね(笑) 当日の馬場は重馬場だったのでそれが少し不安でした。前走のドンカスターマイルは、長く続いた雨で競馬開催が危ぶまれるほどの悪い馬場でしたから。
―― さて、レースはゆっくりとスタートをし直線一気に!と見るものにとっては、 胸のすくようなレース振りでしたが、オーナーご自身のレースのご感想をお聞かせいただけますでしょうか?

レースの展開というより、先にも少し触れたのですが、それまでの雨の影響による当日の馬場状態、こちらの方が気がかりでした。このコンディションが彼女の能力にどう影響するのかと…ただ、少頭数のレースでしたので、道中の不利は少ないとは思っていました。上手に折り合い、直線で彼女本来の力を発揮してくれれば他馬がどうあれ、決して負けない自信があったのも事実です。 直線で彼女が伸びてきた時には、これなら!と力が入りました。 レース前は、前の2戦での結果から現地では決して評価が高くありませんでした。私自身は彼女の能力は他の出走馬に決して劣らない、 GⅠの舞台で堂々と渡りあえるものだと思っていたので、その評価が凄くくやしかったんです。でも、優勝して私の言っている事は間違っていないと証明でき、とても嬉しく思います。この思いは私だけでなくハナズゴールに係ってきてくださった加藤調教師をはじめとする多くの関係者みんなの思いでもあり、今回の優勝はみんなで勝ち取ったものだと思っています。

次なるチャレンジ

―― 先日ハナズゴールは無事帰国したそうですが、今後のローテーションをお教えいただけますでしょうか?
はい。先日、無事に帰国したとの報告を受けました。検疫後は少し休養を取って、次は秋をと考えています。 10月新潟のスプリンターズステークス(GⅠ)、11月京都のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)、状況によっては、それまでに1戦ということになるかもしれません、 その辺りは、馬の状態を見ながら調教師の先生とご相談していくことになります。 できれば、12月の香港マイル(GⅠ)に出走できればとも考えています。 今回の優勝で、レーティングも上がりましたので、香港でのGⅠの出走も叶うものと思っています。
―― 最後にHPをご覧の皆様、ハナズゴールのファンの皆様に一言お願い申し上げます。
このたびは幸運にもオーストラリアでGⅠを勝つことができました。これもひとえに、関係者の皆様のご尽力とファンの皆様の応援があっての事だと思っております。 秋には日本でGⅠレースに出走できればと考えております。 チャレンジしなければ夢の実現はないと思って、これからもハナズゴールと共にその夢を掴むため、チャレンジしつづけていきます。皆様、これからも応援よろしくお願いいたします。



取材:大惠陽子

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