先週のエルムステークス。
武豊騎手とセキフウの逆算しきったような差し切りはお見事でした。
あまりの素晴らしさにグリーンチャンネルの控室で「武豊騎手~!!」と叫んだほど(笑)。
この日は中央競馬全レース中継の直後の番組「地方競馬中継」に出演するため、東京のグリーンチャンネルへ行っていました。
コロナになって以降、感染防止の観点から関東圏に在住していない人はスタジオへの出入りを禁じられていたため
関西在住の私は必然的にリモート出演となっていたのですが、このたびスタジオ出演が解禁され
3年半ぶりにスタジオからの出演となったのでした。
で、その久しぶりの控室でのシャウトが冒頭。
セキフウは海外でも惜しいレースをしていましたし、特にコリアカップ(3着)で韓国に滞在した際にはラプタスを落ち着かせてくれた偉大な存在だったと聞いていました。
ラプタスは普段からテンションが高いタイプなのですが、関係者はこう振り返ります。
「ラプタスは韓国でセキフウにすごく懐いていました。
セキフウは3歳馬だけど、サウジにも行って慣れてたのか落ち着いていて、セキフウがいなかったらどうなっていたか。
だから、僕たちはコリアカップでセキフウをめっちゃ応援しました」
それだけ頼もしい存在だったセキフウが、21年兵庫ジュニアグランプリ以来の重賞制覇。
おめでとうございました。
さて、2着ワールドタキオンと3着ロッシュローブはJRA未勝利から地方へ転出し
園田・姫路競馬で勝利を挙げてJRAに再転入した馬でした。
近年、地方競馬は重賞レースを中心に賞金が増額されたことで
JRAダートで実績を持つ馬の移籍が目立つようになりました。
また、下級条件の賞金や出走手当てのアップもあり、サラブレッドオークションも活況。
地方競馬に完全移籍する馬も以前に比べて多くなった印象を持っていたので
「近年の傾向を考えると、マル地って珍しいような・・・」
と思っていたのですが、新たな気づきを与えてくださったのはワールドタキオンを管理する斎藤誠調教師。
この馬は体質的に弱いところがあり、3歳4月にデビューするも、レース後に骨折が判明して地方へ移籍、そしてJRAに再び戻ってきた馬なのですが
「近年、競馬全体のサイクルが早くなっているので、この馬のように『成長してから』というタイプには辛いですが
だからこそマル地で花を咲かすのかな、と思います」
と斎藤調教師談。
骨折が判明した時点で、全治する頃には未勝利戦がなくなっていることが明らかでした。
しかし、そこで諦めずにJRAに再び戻ってきたことで、こうして重賞で上位争いをするんですから
競走馬の成長するタイミング、活躍するタイミングというのは千差万別だな、とも感じました。