はい!現場の大恵です


暑い北海道

ワールドオールスタージョッキーズの取材で北海道に行ってきました。

先月、門別競馬場に行った時も暑いなあ、と感じていましたが、今回はそれ以上。
前週に行われたサマーセールでは猛暑と長時間のセリで、かなり過酷な5日間だったことをSNSなどで見聞きしていて、その先入観もあったかもしれませんが、やっぱり暑かった。

幸い、札幌競馬場はクーラーが効いていましたが、日曜の午後には豪雨とバリバリッという音とともに雷が落ちたのには驚きました。
数年前から本州では夕方にスコールのような雨が降ることが増えましたが、そんな感じだったのでしょうか。

北海道はクーラーのない家やホテルもそれなりにあると聞きます。
知人宅も1階リビングにはクーラーがあるものの、2階の寝室にはなくて、暑くて眠れないとのこと。

地球温暖化で今後も北海道で暑さが続くようなら、クーラー需要が高まりそうです。

そして、それは競走馬に対してもそう。
新潟や小倉は馬房にクーラーがついていますが、この暑さだと北海道の競馬場にも必要になってくるでしょう。
牧場でもミストやクーラーが必要になってくるかもしれません。

人も馬も、熱中症にならぬよう、安全な範囲で活動をしていく工夫が他にも求められていくのでしょうね。


YouTube配信

コロナを境にYouTubeによる競馬の生配信が急激に増えました。

それまでは公に認められた配信はなかったのですが、2020年8月に高知競馬が「ヨルノヲケイバ」という生配信をスタート。
出演者があーでもない、こーでもないと雑談しつつ、時に過去の取材情報を入れつつ馬券を買う配信で、視聴者がチャット欄にコメントを書き込み、双方向でコミュニケーションが図れるのが魅力の一つです。

元々はボートレースでとても盛んな手法で、それにより売り上げが大幅アップした競艇場もある、なんて風の噂も聞こえてきます。

地方競馬でも高知が先んじて始めると、大井や佐賀も続き、今ではJRA-VANなど中央競馬でも生配信が取り入れられる一大ブームとなっています。

また、出演者がいない純粋な中継をYouTubeで生配信する競馬場も増えました。
JRAも試験配信などを行っていましたが、地方競馬ではほとんどの競馬場が導入。

昨日、クラスターカップが行われた盛岡競馬場も例に漏れずで
私もクラスターカップを見ようと岩手競馬の公式YouTubeから中継映像をつけたところ、同時視聴者が約1万2000人も!

盛岡の正確な数字は分かりませんが、西日本の地方競馬場だと普段の日は数千人ほどですから
JRAから有力馬が参戦するダートグレード競走がいかに注目を集めているかを実感しました。

もう一つ興味深かったのが、その視聴者の減り方。
私もその一人なのですが、クラスターカップでリメイクが1着でゴールし、掲示板に馬番が灯ったあたりで「さあ、仕事に戻ろう」とYouTubeを閉じようとすると
さっきまでいた視聴者が4000人近く減っていたのです。

お盆だったり、台風が関西に上陸したりで休日の方も多かったとは思いますが、カレンダー上は平日。
もしかしたら私と同じように仕事中で、会社でパソコンやスマホからレースだけ見に来ていた人も多かったのかもしれませんね。

どこにいても競馬が楽しめる時代になりました。


エルムステークス

先週のエルムステークス。
武豊騎手とセキフウの逆算しきったような差し切りはお見事でした。
あまりの素晴らしさにグリーンチャンネルの控室で「武豊騎手~!!」と叫んだほど(笑)。

この日は中央競馬全レース中継の直後の番組「地方競馬中継」に出演するため、東京のグリーンチャンネルへ行っていました。
コロナになって以降、感染防止の観点から関東圏に在住していない人はスタジオへの出入りを禁じられていたため
関西在住の私は必然的にリモート出演となっていたのですが、このたびスタジオ出演が解禁され
3年半ぶりにスタジオからの出演となったのでした。

で、その久しぶりの控室でのシャウトが冒頭。
セキフウは海外でも惜しいレースをしていましたし、特にコリアカップ(3着)で韓国に滞在した際にはラプタスを落ち着かせてくれた偉大な存在だったと聞いていました。

ラプタスは普段からテンションが高いタイプなのですが、関係者はこう振り返ります。

「ラプタスは韓国でセキフウにすごく懐いていました。
セキフウは3歳馬だけど、サウジにも行って慣れてたのか落ち着いていて、セキフウがいなかったらどうなっていたか。
だから、僕たちはコリアカップでセキフウをめっちゃ応援しました」

それだけ頼もしい存在だったセキフウが、21年兵庫ジュニアグランプリ以来の重賞制覇。
おめでとうございました。

さて、2着ワールドタキオンと3着ロッシュローブはJRA未勝利から地方へ転出し
園田・姫路競馬で勝利を挙げてJRAに再転入した馬でした。

近年、地方競馬は重賞レースを中心に賞金が増額されたことで
JRAダートで実績を持つ馬の移籍が目立つようになりました。

また、下級条件の賞金や出走手当てのアップもあり、サラブレッドオークションも活況。
地方競馬に完全移籍する馬も以前に比べて多くなった印象を持っていたので
「近年の傾向を考えると、マル地って珍しいような・・・」
と思っていたのですが、新たな気づきを与えてくださったのはワールドタキオンを管理する斎藤誠調教師。

この馬は体質的に弱いところがあり、3歳4月にデビューするも、レース後に骨折が判明して地方へ移籍、そしてJRAに再び戻ってきた馬なのですが

「近年、競馬全体のサイクルが早くなっているので、この馬のように『成長してから』というタイプには辛いですが
だからこそマル地で花を咲かすのかな、と思います」

と斎藤調教師談。

骨折が判明した時点で、全治する頃には未勝利戦がなくなっていることが明らかでした。
しかし、そこで諦めずにJRAに再び戻ってきたことで、こうして重賞で上位争いをするんですから
競走馬の成長するタイミング、活躍するタイミングというのは千差万別だな、とも感じました。