はい!現場の大恵です


中山記念

2月末をもって7名の調教師が定年に伴い引退されました。

藤沢和雄調教師を筆頭にGIなどの大舞台で活躍馬を輩出してこられた方々。
JRAホームページにまとめられた「主な管理馬」を見るだけで
いろんな思い出がよみがえります。

そんな中、藤沢厩舎が渾身の3頭出しをした中山記念は
パンサラッサがハイペースの逃げから粘り込み、見事重賞2勝目を挙げました。

序盤でトーラスジェミニがついていっていたので
「あれ?陣営は大逃げ宣言をしていたけど、意外と引きつけての逃げなのかな!?」
なんて思っていましたが、よくよく見ると超縦長。

そして、前半1000m通過は57.6秒という超ハイペース。
速いラップで逃げて持久戦に持ち込み、開幕週の中山の馬場も味方につけてのレースぶりには爽快感を覚えました。

ついて行ったトーラスジェミニは最下位に敗れましたが
同日に発表された黒船賞JpnIIIに選定されました。

高知は日本一と言っていいほど砂が深く
遠征馬も移籍馬も、初高知はかなり苦戦が強いられますが
雨が降って馬場が軽くなれば妙味が出るのではないかと感じています。


フェブラリーS

今年最初のJRA・GI、フェブラリーSが行なわれました。

戦前から注目していたのはインティ。
3年前にこのレースを勝って以来、勝ち星からは遠ざかっていましたが
昨年のかしわ記念や南部杯は後方から脚を伸ばし
チャンピオンズカップは2番手から粘りとおしての4着と、復調気配を感じていました。

しかし、フェブラリーSではスタートからダッシュがつかず後方からの競馬となってしまいました。
まさかのミューチャリーより後方からのレースとなり
力み気味にレースを運ぶ姿が映し出されるシーンも。

結果、11着に敗れ、復活が見たかった思いと
望む形ではなかったであろうレースでも最後までがんばった姿に拍手を送りたい気持ちと
いろんな思いが渦巻くレース後となりました。

少しづつ、またいろんなことが噛み合い始めた矢先だと感じていただけに
悔しさも残るレースとなりましたが
またこの後もインティを追いかけたいと思います。

そして、連覇を達成したカフェファラオは本当にすごい!
前走・チャンピオンズC11着から巻き返し、東京ダート1600mは4戦4勝としました。

思えば、「中国で新型コロナウイルスが蔓延しはじめたらしい」
と言われはじめ
得体の知れないウイルスが今後どう流行するのか動向を探っていた2020年2月のフェブラリーS当日、
ヒヤシンスSを勝ったのがカフェファラオでした。

 

 

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あれから早2年。
カフェファラオはGI2勝馬になったんですね。


コンビ継続

京都記念はブービー人気のアフリカンゴールドが重賞初制覇を飾りました。

半兄のアフリカンストーリーは2014年、
ホッコータルマエやベルシャザールも出走したドバイワールドカップの勝ち馬。

その血統背景に加え
3歳夏には2連勝で兵庫特別(3歳以上1000万下クラス・当時)を勝って菊花賞に駒を進め
一気に注目度が上がった記憶があります。

当時から「お兄ちゃんは7歳でドバイWCを勝ったからね」
と、アフリカンゴールドにも伸びしろを期待していた西園調教師。

4歳で去勢されたことから、やんちゃな性格と高い能力に
陣営がずっと向き合ってきたであろうことが窺えます。

これまで先行するレースもありましたが、その時は結果が出ず、
しかし馬の状態とタイミングがマッチしたのか、あるいは相性か
2走前の中日新聞杯はかなり促しながら先行してもバテずに2着。

「促して行っているといっても、体力を消耗しているわけではありません」

と国分騎手は話し、
続く日経新春杯も先行して踏ん張って5着
そして今回の京都記念は逃げて勝利を掴んだのでした。

継続して騎乗できたからこそ、さらに自信を持って積極的な競馬ができたのでしょう。

4コーナーでじわじわと後続が近づいてきた時には手に力が入りましたし
直線半ばで勝利を確信すると、なんとも言えぬ爽快感がありました。


メイケイエール

先週のシルクロードステークスはメイケイエールが約11カ月ぶりとなる勝利を手にしました。

非常にレベルの高いオープン競走において
1年近く勝ち星から遠ざかることは珍しくはないのですが
メイケイエールに関してはちょっと特別な感覚を抱いています。

デビューから3連勝で新馬戦、小倉2歳S、ファンタジーSと勝ち
期待を抱かれたGI・阪神JFでは道中で力む面を見せて4着。
年が明けてチューリップ賞を制しましたが、行きたがる面は解消されず
桜花賞は18着に敗れてしまいました。

こういう場合、報道では「気難しい」とか「コントロールが難しい」
と、馬に非があるように表現されることが多いのですが
管理する武英智調教師は早い段階から
「メイケイエールはとてもいい子なんです」
と発信していました。

「気難しいと表現されることもありますが、そうじゃなくて
ただただ一生懸命に走っているだけなんです」
と。

普段もパドックもとても大人しい馬で、
真面目過ぎるがゆえ、レースで一生懸命さを見せるメイケイエールの本来の姿をできるだけ伝えたい
という思いが伝わってくるようでもありました。

そして、一昨年末に取材させていただいた時に感じたのが

馬具に頼るのは簡単だけど、それでは根本的な解決にはならない

と考えてらっしゃるのではないのかな?ということ。

あくまで個人的な推測ですが
今回は、折り返し手綱とホライゾネットを着用してのレースでしたが
きっとそこには、メイケイエールの良さを自然な形で最大限引き出したい思いと、素質馬ゆえに結果を残させたい思いの両方があったことと思います。

そして、現時点での最適解がこのような形となったのでしょう。

高松宮記念に向けた前哨戦ではありますが
陣営の試行錯誤の末の勝利には、ただただ嬉しくなりました。