帝王賞
今日で上半期が終了となります。
区切りの日に行われたのがJpnⅠ・帝王賞。
大井競馬場は事前に当選した人のみ、と限定的ながら
ファンを迎えて帝王賞は行われました。
「東京トゥインクルファンファーレ」という大井名物のファンファーレ隊
(彼女たちのファンも多いのです!)
による生ファンファーレには自然と手拍子が起こりました。
東京大賞典3連覇など大井コースで連対率100%のオメガパフュームや
地元ファンの期待を一身に背負ったカジノフォンテン
ドバイ帰りのチュウワウィザードなど好メンバーが揃う中
勝ったのは4歳のテーオーケインズ。
素人目にもパドックで1頭抜けて良く見えたほどで
いま、とても充実しているのでしょう。
3連勝で一気にJpnⅠ制覇。
秋もまた楽しみですね。
ゴールデンジャック最後の仔から
「ダービーからダービーへ」というスローガンのもと
今年も日本ダービーの翌週から2歳新馬戦がスタートしました。
まだ3歳未勝利馬たちが多く残る中
2歳馬たちがデビューしていくシーンはなんだか不思議な感じがします。
それにしても年々、早い時期から仕上がる馬が増えましたね。
西日本で一番星を挙げたのはクラウンドマジック。
重賞2勝を挙げ、オークス2着のゴールデンジャックの最後の産駒となったクラウンドジャックの仔
という血統背景を持っていました。
ゴールデンジャックの一族は
関屋記念など重賞3勝を挙げたサイドワインダーや
川崎記念を制したミツバなど血脈を広げています。
その1頭に加わったクラウンドマジック。
早い時期に勝利を挙げたことで
夏の2歳重賞を目指すことも、ゆっくり休養に充てて成長を促すこともできるでしょうから
今後も楽しみにしたいと思います。
ホクショウマサルと阿部騎手
地方最多の31連勝を挙げたばんえい競馬のホクショウマサルが
6月2日、急死しました。
主戦の阿部武臣騎手は、ばんえいジョッキーとしての生活について
かつてこう話していました。
「僕たちにとって馬は家族のように大切な存在。
だから、休みの日でも馬のことが気になるし
休日には牧場などに馬を見に行きます」
活字にすると、何てことないように感じるかもしれませんが
実際にはもっと細かく話されていて
その口ぶりから、阿部騎手の中で最優先事項は
自身の体を休めたりリフレッシュすることでも、家族と出かけることでもなく
厩舎の馬たちはちゃんとご飯を食べているか?
若馬の成長は順調か?
といったことなんだろうなと個人的には想像しました。
ホクショウマサルは喘鳴症で2年4か月の休養を余儀なくされながらも
2018年7月に復帰すると、そこから破竹の連勝劇。
連勝記録が近づき、さらに更新する頃にはテレビなど多くの取材があったようで
陣営にとっては大きなプレッシャーの中で達成した記録でもありました。
ばんえい最高峰レースと言われる「ばんえい記念」に昨年挑戦後は
なかなか勝てない時期が続きましたが
昨年末から勝利を手にすると、今年3月のばんえい記念を見事に制覇したのでした。
その優勝会見で阿部騎手は
「調教も大事ですが、やっぱり体調管理が大切です。
体調が上下せず、平均的に整えられるように気を付けています。
毎日、ホクショウマサルには僕しか触らないので
運動に行く時の様子や、運動をしている時、つなぎ場、馬小屋にいる時に
顔色やエサの食べ方を見て小さなことに気づいてあげられるようにしています」
と話していました。
ばんえい記念優勝にあたって
「馬と二人三脚でつかんだ勝利」とか「365日寄り添ったホクショウマサルと」とか
こういった表現が浮かんでいましたが、
阿部騎手のこの言葉を聞くと、そんな表現すら陳腐に思えるくらい
ホクショウマサルのことを思っていたんだと感じました。
ホクショウマサルの急死を聞いた瞬間、ショックでたまらなかったのですが
私でこれだけ悲しいのだから、共に生き、苦楽を共にしてきた阿部騎手や坂本調教師の悲しみはどれだけ深いだろう、と想像を絶します。
そして、ばんえい競馬のファンのみなさんは
最近なにかと騒がしい中、つらい思いをしたり現場の思いが伝わらないもどかしさや怒りも感じられていたことと思います。
そんな中でのホクショウマサルの突然の死。
ホクショウマサルのご冥福をお祈りするとともに、
ばんえい関係者やファンのみなさんがこれ以上つらい思いをすることがありませんように、と願います。