先週10日(木)、栗東トレセンで取材を終えた後
宮路満英さんの第4回全日本パラ馬術大会グレードⅡにおいて個人種目と団体種目での優勝を記念して開かれている写真展に行ってきました。
▲宮路満英さん(中央)と奥様・裕美子さん(右)
宮路さんは元々、栗東トレセンで調教助手として働かれていましたが
2005年に厩舎で作業中に脳卒中で倒れ
現在も右半身に麻痺が残ります。
「競走馬に乗るのとは使う筋肉が全然違います」
というパラ馬術競技。
宮路さんは自由に動かせる左手だけで手綱を操作できるよう
持ち手がバーになった手綱を使って馬に合図を送ります。
また、馬術では通常、馬のお腹をクッと足で蹴るなどして
「前に進んで」とか「駈け足をして」などの合図を送るのですが
宮路さんは右足を使えないため
お尻や体重移動を利用して馬に合図を伝えるのだそう。
奥様・裕美子さんと二人三脚で歩んでこられ
2016年にはリオデジャネイロ・パラリンピックに出場。
今年1月、オランダでのゲーネマイデン大会では自己最高得点を更新しました。
そして先月末に東京の馬事公苑で開かれた第4回全日本パラ馬術大会で見事優勝。
大会の練習風景などを集めた写真展が
JR草津駅西口すぐのショッピングセンター「エイスクエア」内の
アルプラザ2階ヤシの木広場で開かれていました。
中でも私がお気に入りの写真は
宮路さんが馬場馬術に取り組まれているすぐそばで
奥様が腕組みをしてキリッとした表情でアドバイスを送られている一枚。
夢に向けてご夫婦で支え合っていらっしゃる雰囲気がとても伝わってきました。
これらは正木徹さんが撮影された写真。
そのほかにTCC(日本サラブレッドコミュニティクラブ)さんが撮影されたTCC馬術大会の写真や
ワールドカップで日本人女子初となるファイナル出場を果たしたの広田思乃選手の写真
また、馬術界だけでなくトレセンでも最近話題の「馬のキネシオテーピング」の写真も展示されています。
キネシオテーピングは炎症を起こしたり固くなった筋肉の部分に貼って皮膚を持ち上げてシワを作ることで
皮膚の下に隙間を作り、リンパや血液の流れを促進させて
回復を早める、というもの。
外側から刺激を与えるというより
馬自身が持っている回復力をより高めてあげるイメージ。
キセキが凱旋門賞に遠征した時にはフランスまでテーピングケアをしに行かれたそうです。
▲黄色や緑色の馬のキネシオテーピング(青野菜名さんご提供)
ちょうど私が行った時間帯にはホーステーピング代表の青野菜名さんのほかに
地方競馬の馬主さんもいらしていて
「地方競馬では背腰に疲れを溜めている馬も多いですし
キネシオテーピング、よさそうですね!」
と話していました。
写真展は当初、昨日13日までの予定だったようですが
好評につき、しばらくは展示を続けられるとのこと。
アルプラザの開店時間(10時~21時)はみなさんご自由にお立ち寄りいただけます。