今週、あるスポーツ新聞に
コントレイルは走った後、心拍数が戻るスピードが
一般的な競走馬に比べてとても早い
といったことがグラフ付きで掲載されていました。
それを読んでふと思い出したのは
歴史に名を残す名馬たちも「心臓が強い」ということについて。
たとえば、JRAのGI勝利数最多タイ(7勝)を挙げたテイエムオペラオーは
競走馬総合研究所の研究で平均25拍/分(安静時)と発表されていて
一般的な競走馬の30~40拍/分よりも少なく
それだけ一回の拍動で多くの血液を全身に届けられていることが窺えます。
同じくGI7勝を挙げたキタサンブラックは
現役時、担当の獣医師が聴診器で測ったところ28~30拍/分。
よく厩舎関係者のコメントで
「この馬は心肺機能が強い」
というのを見かけますが
科学的な数値からもそれが証明されていることとなります。
キタサンブラックに関しては、実際に心拍数を測ったのは引退が迫った頃。
科学的に「心臓が強い」と分かる前から
清水久詞調教師は「キタサンブラックなら大丈夫!」と信じて
ハードなトレーニングを課し、より強い馬へと育てていきました。
競走馬の世界は科学的なアプローチと
積み上げてきた経験による「職人の感触」が合わさって強い馬を育てていることが多いように感じます。
そして、それがまた新たなドラマを紡ぎだすのだな、と。
さて、明日の菊花賞はどんなドラマが生まれるでしょうか。