夏を越えて
秋シーズン最初のGI・スプリンターズSが終わりました。
タワーオブロンドンは中1週→中2週のローテーション、それも札幌から美浦、美浦から阪神への長距離輸送を2回挟みながらのもの。
スプリンターズSまで予定通りのローテーションだったそうですが
そうであってもGIを勝ちきれるよう
馬をケアし、コンディションを整えた藤沢和雄厩舎の職人技には改めて驚かされました。
藤沢厩舎といえばこの夏、新人の団野大成騎手が北海道で調教などに跨りました。
団野騎手は栗東所属なのですが
競馬学校時代の実習でも藤沢厩舎の調教に跨ったことがあります。
所属の斉藤崇調教師も技術調教師時代は藤沢厩舎で研修を積んだ過去も。
「この夏を越えて、周りが見えるようになったかなと思います…少しは、ですけど」
と団野騎手。
自厩舎だけでなくGI戦線で活躍を続けるトップステーブルに携わることで
馬乗りの視野が広がっていくことでしょう。
「視野が広がる」と言えば、三津谷隼人騎手もそう。
今年に入って障害レースにチャレンジし始めたのですが
「普段の調教で考えることがさらに多くなった」
と馬づくりの醍醐味を感じているようです。
馬も人も、ひと夏を越えてどんな活躍を見せるでしょうか。
「道」ができました
今週から栗東トレセンに「道」ができました。
各門から調教スタンド近くまでは舗装された道路なのですが
最後の最後、調教スタンドに入るには砂場を歩かなければいけませんでした。
ここは調教の行き帰りに馬も歩くため砂場になっていて
馬優先のトレセンではこれまでは当たり前のことだったのですが
先週、半分くらい道ができていて
今週には全面開通!
パドックや地下馬道に敷かれているようなウレタン系のクッション性のある道になっています。
GIシーズンや新馬のデビュー直前に
栗東トレセンへ調教を見に来られるオーナーをお見かけします。
一昨年オープンした新スタンド内には「馬主エリア」もできていますから
より快適に調教スタンドまで足を運んでいただけるようになりました。
さて、今週はスプリンターズSに登録している各馬がGIゼッケン(馬名入り)を着けての調教。
「ようやく特殊ゼッケンの季節になったね~♪」
とGIシーズンの到来を喜ぶ声も聞こえました。
その前に、今週は神戸新聞杯。
サートゥルナーリアのストライドの大きさは先週のブログでお伝えした通り。
レッドジェニアルは
「初めて休みましたが、かなりいい休養になりました」
と夏場をいい感じで過ごせた模様。
「以前と同じように乗っていてもタイムが出ます」
と中塚調教助手。
ひと夏を越して、3歳牡馬の勢力図に変化はあるのか
注目です。
トライアル戦スタート
今週からセントライト記念にローズステークスと
クラシックのトライアルレースがスタート。
栗東トレセンはマスコミがマスコミを見て「多っ!」と驚くほど報道陣でにぎわいました。
一方、アメリカでのキーンランドセプテンバーセールに出かけている調教師も多く
暦の上では秋なのに残暑厳しいお天気のように
秋と夏のイベントが混在しているような感じでした。
さて、ローズSに出走予定のダノンファンタジーは
水曜日の朝、川田将雅騎手を乗せての追い切り。
「やればタイムが出るので、半マイルでの追い切りでした。
デビュー時からコントロール面での課題が調教であって
今朝も引き続きその点を確認しながらでした。
外に出した時にハミを噛んだようですが、最後は気分良く伸びていました。
調教でそういう面を見せてもレースではこれまでも走っているので
今回もクリアしてくれるのではないかと思っています」
と中内田厩舎スポークスマンの猿橋調教助手。
中内田調教師自らが調教に跨る姿をこれまで何度も見かけてきました。
桜花賞も、距離が延びたオークスも
ともに掲示板に食い込んでいます。
桜花賞馬グランアレグリアがスプリンターズSへ、
オークス馬ラヴズオンリーユーがツメを傷めて秋華賞を断念ということですから
秋華賞に向けて、必然的にダノンファンタジーへの注目度が上がりますね。
個人的にもう1頭、ローズSで気になっているのは
シゲルピンクダイヤ。
春は坂路での調整だったのが
この秋は「コースでしっかり調教できています」と渡辺薫彦調教師。
オークスの頃は馬も気持ち的に張りつめていたようですが
夏の間に北海道でリラックスして、目つきも穏やかになっていたようです。
距離が少し気になるところですが
オークスの頃に抱えていた不安要素がなくなった今なら
さらに期待を寄せたいなと思います。
写真は神戸新聞杯1週前追い切り直前の
サートゥルナーリアとクリストフ・ルメール騎手。
直線は大きな完歩で、1頭次元の違う走りを見せていました。
戻ってきました
今週から馬場開場が6時に遅くなった栗東トレセン。
北海道開催が終わって9月に入り
賑わいが戻ってきました。
そして、ニューフェイスも。
今週から競馬学校の2年生たちが長期の厩舎実習にきています。
西谷誠騎手は息子・凛くんが調教に向かう姿を見守ったり
永島まなみさんが馬に乗ってスタンド前を過ぎていく時には
記者から注目を集めたり。
可能性をたくさん秘めた彼ら・彼女たちの姿は
新鮮で爽やかな風を吹かせてくれました。
私自身は1週間開いてのトレセンだったのですが
その間に帰厩したサートゥルナーリアが
水曜日の朝イチにCWコースに単走で姿を現しました。
のびのびとしたフットワーク。
再来週の神戸新聞杯から始動のようですね。