初勝利の早さとその後の関係とは?
昨日29日(土)の阪神5レースでポップフランセが勝利し
岩田望来騎手が初勝利を挙げました。
これで今年デビュー組のうち栗東所属は4名全員が初勝利を挙げました。
斎藤新騎手はデビュー翌日の3月3日に
亀田温心騎手と団野大成騎手は3月17日に初勝利を挙げ
栗東で残るは岩田望来騎手のみとなっていました。
そんな状況を坂口正大元調教師は
「彼も心の中では焦っていると思うよ」
と気にかけていた様子。
現役時代には浜中俊騎手を弟子に取っていた坂口元調教師はさらにこう続けました。
「これからずーっとジョッキー生活は続くんだから
最初の1勝が早いか遅いかはそんなに関係ないんだけどね。
でも、やっぱり焦るでしょうね。
うちにいた浜中はね、同期の中でも初勝利が遅い方で
4月に入ってからの初勝利だったんですよ。
結局デビュー年は新人賞は藤岡康太くんだったけど
それに次ぐ20勝を挙げたし
2012年にはJRAのリーディングもとらせてもらいましたからね」
長いスパンで見れば、初勝利が多少遅れることは気にしなくてもいい
という実例でしょう。
とはいえ、当の本人からすれば気が気でなかったことと思います。
記念すべき初勝利、本当におめでとうございました。
血を残すということ
「海外のセリで購買された馬」
そんな程度の浅い知識だけで
それ以上深く掘り下げようとしなかった自分の未熟さを高松宮記念で感じました。
今年の高松宮記念を制覇したのは芝1200mは初挑戦となったミスターメロディ。
距離を難なくこなし、得意と言われる左回りで勝利を挙げました。
そのレース後の共同会見で
「世界的にファッショナブルでありながら
すでに亡くなっているスキャットダディ(Scat Daddy)の産駒。
日本でこういう馬が出たということは非常に意義があると思うのですが、いかがでしょうか?」
という質問が出ました。
それに対して藤原英昭調教師はこのように話しました。
「本当にすごく意味がありますし
スキャットダディが亡くなってから『これから残していかなければいけない』と思いました。
そのためにはやはりGIを獲らなければいけません。
違う意味でのプレッシャーはありました。
ただ、それは厩舎だけの話ではなくて
これからの日本で血脈をつくっていく重要な馬になってくると思いますから、その辺りはちょっとはひと安心しました」
クールモアのアシュフォードスタッドに繋養されていたスキャットダディが急死したのは2015年、まだ11歳の時でした。
昨年のケンタッキーダービーでは史上3頭目となる
「4頭出し」の種牡馬となり
さらには優勝したジャスティファイ(のちのアメリカ三冠馬)もスキャットダディ産駒。
ヨーロッパではロイヤルアスコット開催でGI勝ち馬を多数輩出し、
チリではリーディングサイアーに輝くなど
その産駒はクールモアだけでなく、多くの馬主・生産者が注目していたといいます。
今年、新馬勝ちで話題になったユニコーンライオンの父ノーネイネヴァー(No Nay Never)はスキャットダディの産駒。
・・・って、ここまでは血統に疎い自分自身への覚え書き。
特にジャスティファイなどはすでに多くの人が知るところでしょうが
ミスターメロディをきっかけに調べたり考えたりしていると
穴が開くほど競馬雑誌を読んでいた小中学生の頃を思い出しました。
新人騎手たち
17日の阪神12レースでタガノジーニアスが勝利し
今年デビューの団野大成騎手が初勝利を挙げました。
ゴールの瞬間、厩務員スタンドからは
「親子で初勝利や!」という声が上がり
ただならぬ盛り上がり。
「どういうことだろう??」と思っていると
実はタガノジーニアスを担当するのが団野騎手のお父様ということなのです。
一生に一度しかない「初勝利」の瞬間を
お父さんの担当馬で挙げられるってどれほど嬉しくてどれほど幸せなことでしょうか。
初勝利を挙げて、騎手としてのスタートラインに立った息子さんを迎えに行くお父様。
背中から喜びが伝わってきます。
どんな表情で息子さんを迎えに行ったのでしょうか。
お父様の担当馬で初勝利を挙げたことについて団野騎手は
「言葉にできないくらい嬉しくて
一生の宝物になると思います」と。
きっとそれはご両親もそうでしょう。
通常の口取り撮影の後には家族だけで口取りに収まる「家族写真」バージョンも行われました。
師匠の斉藤崇史調教師は涙ぐみ
お母さまは記念のターフィー人形を渡すプレゼンターを務めました。
初勝利、本当におめでとうございます。
栗東デビュー組では同日、亀田温心騎手も中京で初勝利を挙げましたし
初勝利一番乗りだった斎藤新騎手はすでに4勝をマーク。
先週火曜日には
翌日に高松宮記念の1週前追い切りを控えたダノンスマッシュの背中に斎藤騎手がいました。
新人騎手たちのこれからの活躍が楽しみですね。
2歳馬、入りました!
今週火曜日、栗東トレセンで早くも2歳馬を見かけました。
栗東トレセンでは緑色のゼッケンが2歳馬の証。
翌日の水曜日には至る所で
「え、もう2歳馬が入厩してるんだって!?」と話題になっていました。
それもそのはず。
まだ皐月賞や桜花賞の前哨戦が行われている季節ですし
馬によっては体質の弱さや怪我などの理由で
まだデビューできていない3歳馬もいるのですから。
私もあまりに驚きすぎてカメラを構える余裕がなく
慌ててスマホの望遠を使って撮りました。
そのため、画質が粗くてすみません。
入退厩資料を見てみると
3月2日(土)に森秀行厩舎に入厩したようです。
来週にはアメリカで2歳馬のトレーニングセールがありますし
なんだかもう、時の流れの速さを感じる今日この頃です。
デビューと新制度
おはようございます。
今週からJRAは新しい年がスタートしました。
調教師は下記7名が新規開業。
稲垣幸雄調教師(美浦)
加藤士津八調教師(美浦)
深山雅史調教師(美浦)
石坂公一調教師(栗東)
上村洋行調教師(栗東)
坂口智康調教師(栗東)
長谷川浩大調教師(栗東)
石坂公一調教師は土曜日の小倉8レースで早速初出走初勝利を挙げました。
そして騎手は8名がデビュー。
大塚海渡騎手(美浦)
小林凌大騎手(美浦)
菅原明良騎手(美浦)
岩田望来騎手(栗東)
亀田温心騎手(栗東)
斎藤新騎手(栗東)
団野大成騎手(栗東)
そして藤井勘一郎騎手(栗東)
▲阪神競馬場での紹介式の様子。
(左から)岩田望来騎手、亀田温心騎手、藤井勘一郎騎手
さらに今週から女性騎手減量制度が導入され
藤田菜七子騎手が▲3kg減で乗れることになりました。
今後、101勝以上またはデビューから5年を経過しても
永年2kg減で騎乗できます。
フランスで導入されている制度で
日本国内(地方競馬)では少なくとも1985年から導入されているもの。
2月25日発売の週刊競馬ブックのコラムで国内外の女性騎手減量制度についてまとめるにあたり
いろいろと調べながら感じたことは
「まずはこの制度によって女性騎手が増え、根付いてほしい」
ということです。
「筋力面では男性の方が有利」
という声もありますが
当たりの柔らかさなど女性の方が有利な点もありますし
一般社会同様、女性の社会進出がすすむメリットもあるはずです。
たしかに、昨今の男性も含めた若手騎手の騎乗機会確保や
育成環境を整えるという課題もありますが
個人的には競馬界で女性を定着させるためにも必要な制度なのかなと思います。
そして状況を見ながら、具体的な減量の数字の見直しなどが行われていけばいいのではないかな、と。
みなさんは、どのように考えられますか?