年末の記録
年末、さまざまな記録が生まれましたね。
武豊騎手が2005年にJRA年間212勝をマークした時、
「乗ったレースはほとんどすべて勝っている」くらいの印象があって
ただただ一ファンとして驚愕しましたが
まさかそれが更新される日がやってくるとは。
この気持ちは、多くのみなさんがお持ちではないでしょうか。
写真は、クリストフ・ルメール騎手が12月28日中山4レースを勝って
武豊騎手の記録に並んだ時のもの。
この2レース後の中山6レースで早々に新記録を樹立しました。
バルコニーでレース観戦していたルメール騎手の奥様は歓喜の声を上げて、笑顔炸裂。
ご家族でルメール騎手の応援にいらしている姿は頻繁にお見掛けします。
異国の地でこれだけの成績を残せるのはご家族の大きなサポートがあってこそなんでしょう。
ルメール騎手ご自身は
「一生懸命勉強をして、馬主、調教師、家族、ファンのおかげで新記録ができました。
シンジラレナイ!
今年、一番すごい記録はタケさんの4000勝の記録。スバラシイです。
日本に来て、タケさんはお手本です。
大きなリスペクトを持っています」
と感謝や武豊騎手への尊敬の念を表していました。
そして、大晦日の今日の競馬を終えて
地方競馬の兵庫(園田・姫路)では吉村智洋騎手が
兵庫県競馬の新記録となる年間296勝(地方競馬のみ)を達成。
かつては小牧太騎手(2003年)と木村健騎手(2008年)がそれぞれ288勝をマークしていましたが
それを超えて、さらには自身初の地方競馬全国リーディングにも輝きました。
(12月31日園田ジュニアカップ、リリコ(2着)での本馬場入場)
昨年は下原理騎手(兵庫)が全国リーディングに輝き
今年は吉村智洋騎手が全国リーディング。
上位陣の入れ替わりが激しく、兵庫は特にジョッキー戦国時代に突入しつつあるように思います。
2019年、リーディングに立つのはどの騎手なのでしょうか。
さて、2018年もまもなく数時間で終わろうとしています。
お世話になりましたみなさま
ブログを読んでくださったみなさま
本当にありがとうございました。
みなさま、よいお年をお迎えください。
年末の嬉しい出来事と悲しい事件
明日から2日間の日程で行われるヤングジョッキーズシリーズファイナルラウンド取材のため、東京に来ています。
明日27日は大井で2戦
明後日28日は中山で2戦が行われ
着順に応じたポイントで総合優勝が決まります。
28日にJRAで競馬が行われるのは今年が2年目。
売上げや入場人員などどんな感じになるのでしょうか。
ちなみに、有馬記念翌日で振替休日だった24日は軒並み地方競馬の売れ行きが好調で
名古屋グランプリはレース単体では従来レコードを約1.8倍更新する好調っぷり。
その好調の要因は日程的にJRAファンが買いやすかったこと
地方競馬ネット投票で発売していたこと
武豊騎手が1番人気に騎乗したこと
・・・などいろいろあるでしょう。
また、少し前に「景気回復局面が『いざなぎ景気』を超えている」と報道されました。
地方競馬の売り上げを聞くと、それを実感します。
最後に地方競馬が廃止されたのは2013年の福山競馬。
以来、廃止の危機に瀕していた競馬場もなんとか持ち堪え、売り上げを回復させ、賞金アップが可能になるまで回復してきました。
それだけに、今日発表された岩手競馬の薬物問題による開催取りやめ(12月30日~1月7日)は残念で悔しくてたまりません。
調教師や騎手、厩務員、岩手に愛馬を所有されているオーナーにとってはその思いはひとしおでしょう。
単年度黒字が確保できなければ廃止という条件の下、年末年始開催ができないことの重みは想像に難くありません。
単年度黒字という条件を、今回ばかりは例外として救済措置をとってくれないものか、とも願います。
でも、それよりも願うのは原因究明。
何も明らかになっていない状況なので、邪推は避けたいところですが
今回4頭目の禁止薬物(アナボリックステロイド)陽性馬が発生したのがこれまでの水沢とは違って盛岡競馬場とあって
達増拓也 岩手県競馬組合管理者は
「岩手競馬を標的とした故意的なものである可能性が高まったと考えられることから、競馬組合として、1日も早く原因を究明するため、警察捜査に全面的に協力する」
とのコメントを発表しました。
アナボリックステロイドは筋肉増強剤。
もしも意図的に、また悪意を持って投与した人がいるのだとしたら
別の競馬場などでも起こり得る可能性のあることなだけに
一刻も早い事態の収束を願うばかりです。
今朝のトレセンから、キセキ
有馬記念の枠順抽選会が数時間後に迫っています。
初めて公開抽選が行われるようになった4年前は
今とは少し違う抽選方法で、各陣営が好きな番号を選べ、
2枠4番を選んだジェンティルドンナが優勝し
2着は3枠6番を選んだトゥザワールド。
もちろん実力あってのことですが
あらためて内枠有利、できれば偶数枠が…ということを実感させられたレースでした。
コーナーを6回まわるトリッキーコース。
今年、内枠を引き当てるのはどの陣営なのでしょうか。
さて、栗東トレセンから個人的に注目しているのはキセキ。
前走・ジャパンカップでは自らレースを作り
直線半ばまで先頭を守り抜きました。
結果的にアーモンドアイに交わされて2着でしたが
従来のレコードを更新する2分20秒9での走破。
レコードタイムが更新される時
ハイペースで逃げる馬を直線で差し切ったらレコードだった
・・・ということは、ままありますが
キセキの場合は自分でペースを作ってのもの。
レース直後から同馬を称える声が多かったですね。
で、気になるのはレース直後。
骨折など具体的な怪我はなくとも、肉体疲労とか精神的なダメージがないかが心配でした。
先週、厩舎に行くと担当する清山宏明調教助手は
「今回が秋4戦目になりますし
ダメージがあってもおかしくないなと思っていましたが
獣医さんから『状態がいいよ』と言っていただきました。
乗った感触を慎重に感じ取ってきましたが、体の疲れももうありません」
と有馬記念に向けて明るい表情。
今朝も改めて厩舎に行ってみましたが
「毎日接していても前走の反動とかは感じません。
常識を覆すかもしれない状態まできているから
一番そばにいる僕がキセキのことを信じてあげないとって思います」
口調としては、字面よりももーっと慎重で控えめな感じだったのですが
だからこそキセキの状態の良さを感じました。
また、馬体も以前より大きく逞しくなっているように感じ
清山助手も「またパンプアップしましたよ」と言います。
最近は調教方法も変えているとのことですが
それも体幹が強くなったことと元々持つポテンシャルの高さゆえにできること。
父ルーラーシップは高い期待を寄せられながらも有馬記念で出遅れてしまい
ゲート再審査を課せられたことで引退することとなりました。
父の無念を、というのは単なる人間のエゴかもしれませんが、有馬記念でどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。
ところで昨日の朝、とても縁起の良さそうな馬と遭遇しました。
ゼッケン番号「1番」!!!
斉藤崇史厩舎のアイアンクローです。
応援している馬も「1番」になりますように。
今週から!坂井瑠星騎手と坂路タイム印刷
今朝の栗東トレセンには
オーストラリア長期遠征から帰国した坂井瑠星騎手の姿がありました。
昨年11月に渡豪し、書類手続きなどのため2度の一時帰国を挟みながらもトータルで約1年の海外遠征。
一時帰国では土日で人気薄を含む4勝を挙げるなど大きな存在感を示したり
ドバイや香港などへ矢作厩舎が海外遠征の際には現地に飛び、調教の手伝いもしました。
一時帰国中の活躍ぶりからも正式帰国後の活躍がかなり期待されるところ。
早速、今週末はGI・朝日杯FSでコパノマーティンに騎乗予定です。
今朝はその最終追い切りに騎乗。
「初めてコンタクトを取りました。
先行馬を見ながら直線で並びかけ、スムーズな反応でいい動きでした。
この馬のレースは見ていて
ダートで勝っていますが、芝の未勝利で3着もあるので問題ないと思います。
力強い走りをするので、馬場が渋ればよりいいのではないかと思います。
2歳にしてはどっしりとした乗り味ですね」
日曜日は曇りのち雨の予報で降水確率は60%。
コパノマーティンと坂井騎手にどう作用するでしょうか。
さて、今朝は栗東トレセンから話題をもう1つ。
今週から坂路タイムが厩舎毎に手軽にプリントアウトできるようになりました。
これまではゴールした馬から順にモニターにタイムが表示され
その画面を印刷する方法でした。
ところが、モニターに表示されるのは10頭未満。
朝一番やハロー明けなどはどんどんと馬が登坂するので
ちょっとタイミングを逃してしまうと
お目当ての馬のタイムがモニターから消えてしまい
プリントアウトできない…という状況。
そのため、走って印刷機のボタンを押しに行く調教師も多かったのです。
新しく導入されたこちらの機械だと
調教師コードを入れればその日の厩舎の馬の登坂タイムが一覧で出てきます。
写真は北出成人調教師。
右手に持っているのが今朝の北出厩舎の坂路タイム一覧。
左手の黒い小さな用紙は従来のモニターをプリントアウトしたもの。
これによって印刷に気を取られ過ぎずに
しっかりと管理馬の動きをチェックできるようになりそうです。
東西騎手
季節が逆戻りして一時的に暖かくなりましたね。
とはいっても、冬。
今朝の栗東トレセンでは半袖の記者を見つけてひっくり返りそうになりました。
異常気象を感じる栗東トレセンですが
今朝は田中勝春騎手が来場し
中日新聞杯に出走予定のマイスタイルなどの調教に乗っていました。
また最近は美浦から多くの騎手が調教に乗りに来ていて
柴山雄一騎手は今月の中京開催のため短期滞在中。
また長岡禎仁騎手は以前から滞在しており、
若手の井上敏樹騎手もこの秋から年末まで栗東を拠点に調教騎乗しています。
写真は今朝の井上騎手。
ダブルバインド(牡4、藤原英昭厩舎)に騎乗し、朝一番のCWコースで併せ馬をしていました。
調教の合間には栗東の関係者と談笑する姿もたびたび見かけます。
東西交流が活発になっているのでしょうか。