北新地競馬交友録

もう

『もう恋なんてしない』by ノリユキ マキハラ

君がいないと 何も できないわけじゃないと
ヤカンを火にかけたけど 紅茶のありかがわからない
ほら朝食も作れたもんね だけどあまりおいしくない
君が作ったのなら文句も 思いきり言えたのに

一緒にいるときはきゅうくつに思えるけど
やっと自由を手に入れた
ぼくはもっと淋しくなった

さよならと言った君の
気持ちはわからないけど
いつもよりながめがいい
左に少し とまどってるよ
もし君に一つだけ 強がりを言えるのなら
もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

つい先日、違法薬物所持の罪に問われた、アイドルグループ・KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介が保釈された際、報道陣の前で突然土下座。
反省しているフリ見え見え中尾ミエだが、やらないよりはやった方がいいパフォーマンス。
バット!芸能界と違法薬物は、何もこれが初めてじゃない。

ミュージシャンの槇原敬之もその1人で、1999年に御用!御用で逮捕。
懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決で、背負った借金が7億と云うのだから半端ない。
1991年に『とんなときも』が大ヒット、返す刀で翌年は『もう恋なんてしない』でダメ押しのミリオン。
薄暗い留置所の中で、「もう薬物なんてしない」と呟いたかどうかは、本人しか知るよしもない事ではあるが。

「なんだかショボい『宝塚記念』だな〜。頼んない馬か盛りが過ぎた馬ばっかだ。小林旭の歌う昔の名前で出ていますならいいが………。穴からの使者伸二のムービースターが7歳。あっと驚く為五郎にならぬ、あっと驚くダイユウサクなんて8歳だぜ。上半期の大一番がこれじゃ〜どうしようもねえ。馬券を買う気にゃ〜なれねえが、唯一信頼出来そうなのが、克己のカミノクレッセだろう。前走、適距離じゃねえ『安田記念』で2着を確保。その前は年明けの『日経新春杯』を勝って、『阪神大賞典』『春天』を2着でまとめるとこなんざ〜一枚抜けてらぁね。こったら弱メン相手に遅れを取る訳がねえだろう。相手はまるで判らねえから、単勝2倍はショッペエが買える馬券はそれしかねえョ。まあなんだ、欠伸しながら競馬みて、おぜぜが倍になるならいいんじゃねえの」
聞かれてもいないのに、長講師はマスターの昔からの悪い癖なのだ。

「第4コーナーを回って直線!メジロパーマーが逃げる!メジロパーマーが逃げる!外から追い込んで来る青い帽子はミスタースペイン!メジロパーマー独走体制だ!カミノクレッセ来る!カミノクレッセ来る!」
「泰誠!歩け!歩けってんだ!」メジロパーマーの大逃げが決まりそうになり、メッチで怒声を上げるマスター。
「阪神競馬場はこれから坂!メジロパーマー坂を上り切った!懸命にカミノクレッセが追い込んで来るが!パーマーだ!パーマーだ!マックイーンに代わってメジロパーマーが逃げ切ってしまいました!同じメジロでもパーマー。メジロパーマー逃げ切り!メジロパーマー逃げ切り!」

1着 メジロパーマー 山田泰誠
2着 カミノクレッセ 南井克巳
3着 ミスタースペイン 石橋守
ニャンと!9番人気メジロパーマーの逃げ切りに場内騒然。
「なんだ!なんだ!なんだ!パーマー?泰誠?こったら馬出てたのか?前走『新潟大賞典』を勝ったって、平坦なコースで、次郎のシュバリエやデカ鼻太のピューターウォールに思いっきりテレビで可愛がって貰ってのラッキー。坂のある阪神でなして止まんねえんだ。克己の野郎もおっとり構えてるからこんな事になんだョ。しかも8枠だって〜のに楽に行かすから」
「お兄さん、儂、枠連取ったで!8枠に豊のメイショウビトリアがいてたさかいな。豊マジック信じて良かったわ」

「何が!豊マジックだ!メイショウビトリアはブービの尻2じゃねえか。あ〜あ、競馬なんでマジで馬鹿馬鹿しくなって来た!やめだ!やめだ!」と荒れ狂うマスターだが……..まだ懲りずに買い続けているのだから、真性のお馬鹿さんであるのは天下万民が認めるところだ(≧∇≦)

槇原敬之が、『もう恋なんてしない』で大ヒットを飛ばし、ほんの1日だけもう馬券なんて絶対買わない!とマスターが嘆いた1992年、27年も前の話しである。