最近、あまりの程度の低さが癖になりつい見てしまうドラマ『後妻業』。
主役の木村佳乃ちゃんは、演出家に指示されているのだろうが、演技が大げさでまるでコント。
関西弁がこれまた無茶苦茶で、あんな人間は大阪で見た事がない(笑)。
原作は、『疫病神』シリーズでお馴染み黒川博行さん。
テレビでドラマ化される前にシネマで演じた、大竹しのぶさんが好演だった分だけ、木村佳乃ちゃんは気の毒と云えば気の毒である。
その大竹しのぶさんだが、力量を買われて、今でも、シネマにテレビに八面六臂の大活躍。
もっとも、シネマ『青春の門』の織江役で初めて見た時はインパクトがあったが、その後何故か記憶が薄く。
再び強い印象を受けたのが、明石家さんまちゃんを中心とした群像ドラマ『男女7人夏物語』である。
明石家さんまちゃんの大阪弁を、真似して揶揄するシーンがキュートであった。
その『男女7人夏物語』の主題歌として大ヒットしたのが………。
『CHA-CHA-CHA』 by 明美石井
“Baby Get On My CADILLAC”
“oh No I Wanna Dance My CHA CHA”
街で噂の 辛くちセクシー・ギャル
甘い誘い はねつけるスパイシー・ギャル
花の金曜日(ウィークエンド) 匂いもファンキー・ナイト
格好だけなら また今度 Good Good Night
※I Wanna Dance Do You Like CHACHACHA
Romancin’ 気分 CHACHA
I Wanna Dance Do You Like CHACHACHA
A Virgin 気分 CHACHA※
石井明美ちゃんは、お目々クリクリの人形みたいなアイドルとはひと味もふた味も違って、クールな感じが何とも云えず、本当にいい女だったのである。
「この『報知杯4歳牝馬特別』の注目の的は、関西初見参。屋根が洋のメジロラモーヌなのは、全国1千万の馬券愛好家なら誰でも知ってらぁね。去年の10月の東京競馬場でのデビュー戦は、つけもつけたり2着との差が20馬身。デカ鼻太が『これは凄い馬になる』と絶賛したらしいぜ。その後はイレコミが激しいのと、体調を崩したりで勝ったり負けたりだが、暮れの『テレビ東京賞3歳牝馬ステークス 』に出走。単勝2番人気ながら、2着ダイナフェアリーに3馬身半の差を付けての完勝。これで名実共に関東馬のトップに立ったって訳だ。関西馬はどうですかって?」
「ダミだ。大将格は昌博のポットテスコレディだろうが、新馬5着から折り返しのレースで勝ち上がりも、オープンでは勝ちきれず、『バイオレットS』でやっとこさ勝ったレベルだからョ。お父さん!メジロラモーヌの相手教せ〜てやろうか。ズバリ同じ関東馬さらばハイセイコー末夫のダイナフェアリーだと思う。関東馬が関西に来てのワンツーは気分が悪ぃが、この2頭は抜けてる。枠の1ー6でなんもねえから安心して突っ込んだらよかんべ。ユー!アンダスタンド?」
聞かれてもいないのに長講釈はマスターの昔からの悪い癖である。
「第4コーナーから直線!馬場の真ん中を通ってスイートシャンタン!チュウオーサリー!ダイナフェアリー来た!ダイナフェアリー来た!」
「ヒロシ!こんにゃろう!来い!来いって。頼む来てくれ!」
相手のダイナフェアリーは伸びて来るが、肝心のメジロラモーヌはまだ中段に発狂状態のマスター。
「ポットテスコレディも来た!更にメジロラモーヌも差を詰める!メジロ伸びる!メジロ伸びる!チュウオーサリー粘る!チュウオーサリー粘る!変わるか!変わるか!変わった!変わった!メジロラモーヌ差し切った!これが!これが!噂のメジロラモーヌです。桜花賞に視界よし!」
1着 メジロラモーヌ 河内洋J
2着 チュウオーサリー 南井克巳J
3着 ポットテスコレディ 松永昌博J
4着 ダイナフェアリー 増沢末夫J
「何をやっとるんなら!さらばハイセイコーは。せっかくメジロラモーヌがおっとろしい脚で差し切ったって云うのにョ〜。しかし3角で前が詰まって絶体絶命のピンチからジリジリ押し上げて差し切るなんざ〜、メジロラモーヌはやっぱ並みの馬じゃねえぞ。俺ぁ〜クラッシックはこの馬と心中する」とベタ褒めのマスター。
事実、この後初の牝馬三冠馬となるメジロラモーヌ。
「街で噂のセクシーガール」と石井明美ちゃんが大ヒットを飛ばし、メジロラモーヌが関西初見参で「これが噂のメジロラモーヌ」と馬券愛好家の度肝を抜いた。
1986年、もう33年も前のお話。
マスターも長い間競馬やってんな〜。