「北極星(ポラリス)は季節が変わっても他の星と違い北の空で動かない。道に迷ったらポラリスを見るといい僕がポラリスになります。いくら遅くなっても道に迷いませんよね。帰って来れますよね。」
ニャ!ニャンだ!この臭い台詞は?とお嘆きの貴兄。
ヨン様である。
冬のソナタである。
ヒロインが高校生の時、片思いの男子生徒が突然交通事故で死ぬ→大人になったヒロインは幼馴染と婚約→そこに亡くなった片思いの彼に瓜二つの男性が登場→ヒロインがその2人の間で揺れる……。
非常に恥ずかしいストーリーであるが、これが大ヒット。
恋愛にはとっくの父さんならぬ母さんで、縁を切られた主婦層を中心に大ブレイクした。
その『冬のソナタ』。
ヨン様ことぺ・ヨンジュが死んだ男子生徒とその彼と瓜二つな男性の一人二役に。
あんな、ニヤけたヘラヘラ醤油顔の何処がいいのかは不明だが………。
それまでは鼻も引っ掛けられなかったKOREAが我がJAPANを席捲する事になるのである。
「今年の張り始め『京都金杯』は福永祐一のサイドワインダーが断トツで、あとは池添謙一のエイシンツルギサン、ルメールのエイシンチャンプ。エイシン2騎との3頭立てのレースで何んもねえだろう。サイドワインダーは2000の『鳴尾記念』でこそ3着に敗れたが、京都1600なら役者が違い過ぎる。なんせ『マイルチャンピオンS』で堂々の1番人気。祐一の下手乗りで大負けしたが、実力はあんなもんじゃねえぞ。去年の『京都金杯』に続いての連覇は走る前から決まってらぁ〜ね。馬連で2点!それでハイ!お帳面のレースだろう」聞かれてもいないのに長講釈はマスターの悪い癖なのだが………..。
「4コーナーから直線!サイドワインダーまだ後ろから2頭目!先頭はシベリアンホーク!リード1馬身!その外からニシノシタン!あとはユートピア!中を突いて懸命にマイソールサウンドが突っ込んで来た!」
「祐一!この野郎!何やってんだ!」と怒声を発するマスター。
「おお外からオースミコスモ!サイドワインダー急追!凄い脚で突っ込んで来た!サイドワインダーが前の争いに加わったところでゴールイン!4頭一団!」
1着 マイソールサウンド 本田優
2着 サイドワインダー 福永祐一
3着 ユートピア 四位洋文
4着 エイシンチャンプ ルメール
5着 エイシンツルギサン 池添謙一
9番人気のマイソールサウンドが勝って、単勝がニャンと!3090円。
馬連が4750円
3連複が20000円ジャストの堂々たる万馬券決着である。
「本田〜?なんだあの野郎!正月早々人に迷惑掛けやがって。『マイルチャンピオンS』でぐるっと回って来ただけで11着の馬がなして勝つんない。大体が本田なんて年間2〜30勝しかしねえジョッキーで、とてもじゃねえが重賞をぶっこ抜くほどの腕はねえョ。え?去年40勝してるってか?まぐれもまぐれ、大まぐれだっちゅ〜の」と憤懣やる方ないマスターだったのだが……..。
その本田ジョッキー、『京都牝馬S』をチアーズメッセージで、そして『マイラーズC』をマイソールサウンドで、トドメは『スワンS』を10番人気のタマモホットプレイで勝利。
なんと年間56勝と云う自己最高勝利数を記録する事となる。
醤油顔のヨン様が大ブレイクして、平家蟹のようにいかつい本田ジョッキーが狂い咲きのこれまた大ブレイク。
2004年はそんな年だったのである。
もう15年も前、随分と昔の話しだな〜。