日曜日の夜のお楽しみと云えばNHK大河ドラマ『せごどん』だが、9時からの民放で放送されている『下町ロケット』も大人気。
原作者はご存知池井戸潤。
『ハゲタカ』に始まった一連の経済ものは鉄板のヒットを飛ばしている。
ほとんどが、シリアス感動ものであるが、数少ないコミカルなドラマで大ヒットをしたのが、銀行を舞台にドタバタ劇が繰り広げられる『花咲舞が黙ってない』。
主人公である杏ちゃんが扮する花咲舞と、上川隆也が扮する相馬健との掛け合いが見ていて楽しかった。
納得いかない命令に反論する時は「お言葉を返すようですが」と切り出し、悪事を暴かれた相手が「黙りなさい！」と声を荒らげると、「(いいえ)黙りません！」「そんなの絶対間違ってます！」と言い返すのがお約束だ。
2014年のシリーズ1の高視聴率を受けて、翌年の2015年にはシリーズ2がオンエア。
これまた、15.6%のヒットを飛ばす事となるのである。
「この『チャンピオンズC』こそ、今年で1番ドカン！と勝負出来るG1だと思ってんだ」
「そんなに堅いんですか？」熊本天草出身○原さん。
「堅いなんてもんじゃねえよ。スピード1番若武者浩平のコーリンベリーが逃げて、豊大明神のコパノリッキーが番手。幸ちゃんのホッコータルマエがその後方に控えて、直線でコーリンベリーを交わしたコパノリッキーをとっ捕まえにスパート。
そこに襲いかかるのがノンコノユメだ。まあ〜こんな展開は幼稚園児でも判るだろうけどよ。そんだけ堅いレースって事よ」
「えらく簡単ですね」
「そうよ〜！だからどの馬を買うかじゃなくて、どんな馬券を買うかが問題なんだ。それと一つだけ気になるのが、コパノリッキーが先入れの奇数番てこと。なんせわがまま大王ゴールドシップとため張るナムラビクターが3枠6番の後入れ。ゲートの中で待たされたコパノリッキーが苛立つと、スタートで安目を売る危険もないとは云えねえ。『日本テレビ杯』でも『JBCクラッシック』でも、あんましスタートが良くなかったからョ」長い講釈は歳を食っても変わらないマスター、命よりも大切なお金をぶち込んだのだが……..。
「コパノリッキ先頭で1000mを通過！タイムは1.00.2！」のアナウンスを聞いて顔をしかめるマスター。
「早えぞ！クリノスターオーのボウマンの野郎！逃げ馬でもねえのに、なに豊に絡んでやがんだ」と吐き捨てるように呟いた。
「第4コーナーから直線！コパノリッキー先頭！2番手はホッコウタルマエ」
「豊！粘れ！頼む！粘ってくれ」と絶叫するマスターだが……..。
「400を通過！内からニホンピロアワーズ！外からローマンレジェンド！更にはサンビスタ間から！外からナムラビクター！ワンダーアキュート！コパノリッキー粘る！粘る！残り200！先頭はサンビスタに変わる！内からホッコウタルマエ！最内！ノンコノユメ！更にロワジャルダン！先頭はサンビスタ！サンビスタ！ゴールイン！手が上がったのはミルコ•デムーロ」
1着 サンビスタ デムーロJ
2着 ノンコノユメ ルメールJ
3着 サウンドトゥルー 大野J
15着 クリノスターオー ボウマンJ
16着 ガンピット パートンJ
単勝6640円
馬連10140円
3連複 27320円
3連単 318430円の大波乱となった。
枠なりでハナを切った武豊Jのコパノリッキーに執拗に絡む外人J2人。
コパノリッキーに、ガンピットが絡んできたスタート後２Ｆ目が１０秒７は、ナンボなんでもやり過ぎだ。
ハイペースになるのは必然で、1000mの通過タイムが1.00.2とは………..。
これじゃ〜いくらコパノリッキーがいい馬でも持つ訳がない。
「おい！豊に嫌がらせをしたボウマンのクリノスターオーがブービーで、勝ったサンビスタから2.7遅れ。バートンのガンビットに至っては5.1遅れの大差で最後は歩いてんじゃねえか！で勝ったのがデムーロで2着がルメールなんて、あまりと云えばアマリリス。あいつらレース前に豊をオソボにする密談を交わしたんじゃねえか。こんな酷いレース生まれて初めて見たぜ。日本の競馬も舐められたもんだ」と怒り狂っても後の祭り。
花咲舞が、「(いいえ)黙りません！」「そんなの絶対間違ってます！」と吠えれば、武豊Jも、「意味が分からない絡まれ方をされて、無駄脚を使わされたね。絡まれるともろいという弱点が出てしまった。まぁ、勝負だからしょうがないけど」さすがにあんな露骨なレースをされては黙ってないと……。
2015年、ほんの少し前の事である。
