北新地競馬交友録

刮目

連載が800回を越えた『北新地競馬交友録』
ネット社会とは凄いもので、先日も愛知県三河安城在住の読者の方が、大阪出張を利用して、北新地のマスターの店に来店。
「何時も楽しく読んでます。特に馬券が外れてガッカリしているのが最高です。最もあの漢文だけは、まるで読む気がしないのですっ飛ばしてますが」
不人気NO1のChinaシリーズであるʅ(◞‿◟)ʃ

權將呂蒙、初不學。
權勸蒙讀書。
魯肅後與蒙論議。
大驚曰、卿非復呉下阿蒙。
蒙曰、士別三日、即當刮目相待。

呉の孫権の部下で名将の誉れ高かった呂蒙だが、家が元々貧しくて学問をする機会がなかった。
偉くなると否が応でも上奏文などの書類を作成しなければならないが、呂蒙は部下に口述して書類を作成して貰う始末。
それを見ていた孫権に、「少しは勉強したらどうか」と諭された呉蒙は一念発起し勉学に励み、その努力の甲斐あり、見る見るうちに教養を身に付けて行くのである。

勇猛なれど無学であった呂蒙を軽蔑していた知識人の魯粛は、日に日に上がる呂蒙の評判を聞いて挨拶に。
実際に語り合った呂蒙は、以前とは比較できないほどの慧眼や学識を兼ね備えた大人物へと成長していたのである。
驚いた魯粛は、「昔云われていた勇猛だが無学な方ではないですね」
これを聞いた呂蒙は、「士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし」、つまり「士たるもの、別れて三日もすれば随分と成長しているものであって、また次に会う時は目をこすって違う目でみなければなりませんよ」と答えたそうな。

「あ〜あ、先週の土曜日はジェントル幸ちゃんにぶっこ抜かれてヘロヘロだ。やっぱゴルフばっかやってて、バンカーショットがグンバツ、砂ならドンと!来いジェントルにゃ〜叶わねえョ」
マスターが愚痴をこぼしている相手は、京都馬主協会会員のMさんが連れて来てくれた某若手ジョッキー。
「マスター、幸先輩は最近ゴルフより競馬が面白くなって来たみたいです。何でもいいトレーナーの方との出会いがあったようで」
「ふ〜ん。てっきり日曜日の12Rなんて、終わってから行く打ちっ放しの事を考えてると思ってた」
「まさか!幸先輩に対して失礼です」
「ゴメンちゃい」

その翌日、これまた京都馬主協会会員のTさんが別のジョッキー達を連れて来店。
「○○君!顔、真っ黒けじゃねえの」とマスター。
「地黒です」
「嘘付け!ゴルフばっかりやってるからですよ」と半畳を入れたのは某G1ジョッキー。
「ゴルフと云えば、ジェントル幸ちゃん最近やってないらしいな」
「え!僕、先週回りました」
「マジカル?やってんじゃんか!」
「もっとも回数はグンと減らして、トレーニングに力を入れておられるようですけどね」
「そうか〜。ゴルフ狂いなんて、昔の情報を信じて申し訳ねえ事をしちまった。これからはジェントル幸ちゃんを応援しよう!」と相成った。

土曜日、京都最終、幸ジョッキーのメイショウコゴミの単勝1万円、複勝2万円を購入してお詫びのしるしとするらしいマスター。

『士別三日、即當刮目相待』
競馬にかつてないほど力を入れている幸ジョッキー!ガンガレ(=^ェ^=)