北新地競馬交友録

ビューティ

『WAKU WAKU させて』by Miho Nakayama

WAKU WAKU させてよ
DOKI DOKI させてよ
みんな友達じゃないの 他人行儀はよして
もっと近くにおいでよ 息が触れあうくらいにね

※頭ん中 Upside-down
からっぽに消去して
身体ん中 High and High
爆弾をしかけてね
WAKU WAKU させてよ
地味っぽい顔はやめて
DOKI DOKI させてよ
生きかたを派手にしなよ※

ミポリン事、中山美穂ちゃん。
離婚して、長きに渡ったフランス暮らしから日本に帰って来たのは数年前である。
月日と云うのは残酷で、しっかりおばさんになったが、それこそ、この『WAKU WAKU させて』が大ヒットを飛ばした頃は、正真正銘のアイドル。
真っ赤なタイトミニで、ステージ狭しと躍動する様は、多くの男達を魅了した。

「今日の『ローズS』は一頭だけ見てりゃいい。マックスビューティだけのためにあるレースだからョ。牝馬にしてはグラマラスな490キロ前後だが、顔が小さいの小さくねえのって、無茶苦茶キュートだぜ。年明けから怒涛の7連勝。前走の『神戸新聞杯』見ただろう?持ったまんまで並み居る牡馬をなで斬りだ。屋根はモチのロンで長手綱の成貴。馬券?単勝1.1だぜお父さん。野暮な事を云うんじゃねえョ。こったらレースは見てるだけで充分だっちゅ〜の。俺ぁ〜今日も持ったまんまで勝ってくれるんじゃねえかとワクワクすんだ。ビューティ!ビューティ!ビューティペアは女子プロレスでちぃとも可愛くねえが。マックスビューティはモノホンだ」
聞かれていないのに長講釈は、マスターの昔からの悪い癖である。

「第4コーナーを回って直線!マックスいつ抜け出すのか!まだ持ったまま!まだ持ったままであります!トップコート粘っている!シマノファインが差を詰める!ハッピーサンライズも突っ込んで来る!マックスビューティ先頭!しかし田原成貴の手はまだ動いていない!内から武豊のハッピーサンライズ!トップコート粘る!先頭はマックス!ようやく追い出した!マックスビューティ先頭でゴールイン!エリザベス女王杯に向けて視界良好!」
1着 マックスビューティ 田原成貴J
2着 ハッピーサンライズ 武豊J
3着 トップコート 田島良保J

「へへ、最後に3回ぐれぇ成貴の手が動いたかな。マックスビューティにかかったら天才豊も必殺仕事人良保も形無しだ。ベン・ジョンソンと中坊が走ってるようなもんョ。『エリザベス女王杯』もやったメねえ。三冠は確実だろう。お父さん!120円付くなら嫁さんを質に入れても勝負すりゃ〜いいんじゃねえの」と上機嫌の梅田ウインズ午後4時前。
確かに、これ程、綺麗で強い馬を見る事はそうそうある事じゃない。

ミポリンがワクワクさせて!派手な生き方をしなよ!と歌った1987年。
『ローズS』をド派手な勝ち方で、マスターを心底ワクワクさせたマックスビューティ。
随分と昔の話しである(๑╹ω╹๑ )