「なんだ、もう帰るのか」「最後まで席にいろよ」との会場からのヤジに凍りついたのは、我らが安倍ちゃん。
先月の拉致被害者の救出を求める『国民大集会』に出席し、「私が司令塔となって全力で取り組む」と、また出来もしない大見得を切った直後だっただけにさすがに堪えたか?
途中退席の理由は政務だが、実際は私邸に帰って来訪者もいなかったと云うのだから、よほど居心地が悪かったのであろう。
先日、小泉元総理を抜いて、戦後歴代3位の長きに渡る総理在任期間を記録したが、その期間中拉致問題は1ミリたりとも動いていない。
元家族会事務局長の蓮池透さんは、「拉致問題を米朝首脳会談で扱って欲しいとトランプに頼みにいくこと自体、安倍政府としては“お手上げ”ということ。被害者家族にいつまでも“幻想”を与え続ける安倍は罪つくり。もし、トランプが金正恩から『拉致問題は解決済みだ。戦後賠償を要求する』と言われたと伝えてきたら、どうするつもりか?」と呆れているそうな。
この蓮池透さんの弟、蓮池薫さん達5人が、ANAの特別機から手を振りながらタラップを降りて来たのが2002年10月15日。
家族と再会する様子は国民に感動を与えたが、痛ましかったのは、再会を果たせないまま4月に亡くなった母の仏前で、帰国の報告をする地村さん。
「お母さん今帰りました」から言葉が出ず顔を両手で覆い、頬に涙が伝う姿は「北朝鮮許すまじ」の想いを全国民に抱かせたのである。
「この『安田記念』ほど簡単なレースはねえだろう。デビューから祐一が一度も手綱を渡した事のねえエイシンプレストンが楽勝で勝つ。単勝が3倍付くなら喜んで!の頑固炉端だが相手も2頭に絞れる。謙一のダンツフレームと横典のゼンノエルシドでお帳面のレースだ。後はと云や〜善臣大先生のミレニアムバイオぐれぇだが、何せ馬より屋根が先に疲れちまうんだから、あって掲示板が精一杯ョ。後15頭も出てるってか?お父さん!競馬知らねえな〜。調教師は権利があるのに何で出さないんだ!と馬主に怒られるのが嫌で出しているだけ。まあ一言で云うならばオリンピック精神で陸上の100mみてえなもんだ。お父さん!悩む事ぁねえエイシンプレストンから2点勝負だ」と聞かれてもいないのに長講釈はマスターの悪い癖なのだが……..。
「第4コーナーから直線!ゴッドオブチャンス先頭!続いてマグナーテン!アドマイヤコジーンも馬場の真ん中から伸びて来る!ゼンノエルシドは外に持ち出した!お〜外からダンツフレーム懸命に追い込んで来る!ここでアドマイヤコジーン先頭!内マグナーテン!200の標識を通過!ダンツフレームやって来た!アドマイヤコジーン!ダンツフレーム!先頭アドマイヤコジーン!アドマイヤコジーン!アドマイヤコジーン!ゴールイン!2番手ダンツフレーム!エイシンプレストン懸命に追い上げたが3番手集団の一角まで!後藤ジョッキーやりました11年目悲願のG1初制覇。ダンツフレームの池添ジョッキーと馬上で握手、アドマイヤコジーン3年6か月ぶりのG1奪取です」
1着 アドマイヤコジーン 後藤浩輝J
2着 ダンツフレーム 池添謙一J
3着 ミレニアムバイオ 柴田善臣J
「なんでぇこのレースは。祐一は寝てたのかよ〜。単勝3倍の馬が直線で一度も名前を呼ばれないなんて事が許されるか!許される訳きゃ〜ねえだろう!え!お父さん。謙一も馬鹿じゃねえの、負けて握手してやがんの。そんな柔な性根だから負けんだよ。なに?後藤浩輝が泣いてるって?泣きてぇのはこっちだってんだ。どうしてくれるんないこの馬券をよ〜。横典は何着だ?え!ドンベ?冗談だろ。怒り狂った馬券愛好家に囲まれて、競馬場から出れねえんじゃねえか」マスターの尽きる事のない恨み節も、引かれ者の小唄でしかなかった2002年の『安田記念』
母親の死に目に会えなかった地村さんの涙には切ないの一言しかないが、故後藤浩輝Jの馬上で流した涙にはおめでとう!だったのである。