北新地競馬交友録

危急存亡の秋

半島の刈り上げ君、はたまた黒電話の金正恩朝鮮労働党委員長が、USAのトランプおじさんとの首脳会談を前に、3月に続き再びChinaを訪問して習近平国家主席と会談。
ディールの達人トランプおじさんと渡り合うには、自国の力だけでは不安。
ここは1番、嫌いだけどChinaの後ろ盾を得なければなるまいとの習近平詣でとなった訳である。
刈り上げ君の現状を表す言葉がChinaの故事にある。

『危急存亡の秋』

臣亮言。先帝創業未半、而中道崩殂。
今天下三分、益州疲弊。
此誠危急存亡之秋也。

出典は諸葛亮『出師表』
生き残るか、それとも滅びるかの、わかれめ。
「秋」は季節を表すのではなく、大事なときと云う意味だ。
スケールは、月とスッポン、鯨とメダカ、提灯と釣鐘ほど違うが、大阪北新地で吹けば飛ぶようなBARを営むマスターにも、『危急存亡の秋』が迫っていた。

「寒いの〜」
「え?土曜日は冷えましたが、今日はそうでもないですよ」は熊本天草出身○原さん。
「そうじゃねえョ!『NHKマイル』ではルメ公のタワーオブロンドンに裏切られ、『ヴィクトリアマイル』ではジェントル幸ジュールポレールの大駆けにオソボにされ、僅か2週間で20万がとこヤラレこれ。嫁に行った晩じゃねえってぇの。普通のリーマンの1か月の小遣いが4万の時代に2週間で20万だぜ。こんな事が続くようじゃ〜、LAWSONで法被着ても、空き缶拾いに励んでも、とてもじゃねえが凌ぎ切る事が出来まぁが。『オークス』は何が何でも当てなきゃなるまい」とマスターにいい泣きが入っている。

普通なら自信喪失で、悩みに悩むところだが、収入からすれば過去に天文学的損失を喰らっても、馬券を買い続けてる人間は強い。
「本日の『オークス』の見立てをお聞かせください。アーモンドアイのオッズ見てあんまり安いので悩んでるんです」と熊本天草出身○原さんのクエッションに。
「な〜んも悩む事ぁないじゃないの。俺ぁ馬柱を見て3分で結論が出たぜ。アーモンドアイが並みの馬じゃあねえのは、芦○崇信幼稚園ひまわり組の真司君でも判る。相手も脩のラッキーライラックと、イタリアの伊達男デムーロのサトノワルキューレ。まあ、狂っても将雅がパーフェクトに立ち回った時のリリーノーブルまで。発表!枠連!1ー7が大本線で8万!4ー7が3万。競馬だから何があるか判らねえ。タテ目の1ー4を元返しの1万と4千買えば万全だ」と結論付けた。

「第4コーナーから直線!サヤカチャン先頭も後続との差が詰まる!2番手ランドレ!3番手リリーノーブル馬場の3分どころ!その後方から追い出しにかかるアーモンドアイ!ラッキーライラック!残り400を切った」
「うっしゃ!ルメ公!そっから伸びて来い!」とマスター一声。
「坂の登りでアーモンドアイ先頭!内リリーノーブル!3番手ラッキーライラック!」
「デケタ!白帽どっでもいい」と更に一声。
「200を切った!先頭アーモンドアイ!リード2馬身!2番手リリーノーブル!3番手ラッキーライラック盛り返して2番手に接近!アーモンドアイ!二冠達成!先頭でゴールイン」

「マスターさん、おめでとうございます」
「アーモンドアイ強いですね!さすがです。枠連本線的中素晴らしい」
○原さんと、K君がヨイショ!の嵐も、外れるとまたまた機嫌が悪くなって、自分達が被害を被るもんだからホッとしたと云うのが正直なところ。
「まあな、そんなに騒ぐほどの事でもあるめえが。もっとも競馬はこうでなくちゃ〜いけねえョ。やれ10番人気だ、15番人気だが馬券になるようじゃ〜JRAにも馬券愛好家のためにも良くねえ。強い馬が不利なく力を発揮してこそだっちゅ〜の。バット!12万が20万チョイになっただけの事ョ。これぐれぇで喜んでちゃ〜真の勝負師とは云えねえぞ」

「…………………」
○原さんとK君が馬鹿じゃないのと思わず顔を見合す、神戸元町ウインズ午後4時前。
空き缶拾っても追いつかないと、思いっきりテレビで泣きを入れていたのはどこのどいつなんだ(笑)
なにはともあれ、『危急存亡の秋』を一旦は凌いだマスター。
さて、半島の刈り上げ君はどうであろうか( ̄(工) ̄)