「高さ300メートル」と日本一の高さを誇るビル『あべのハルカス』が、ビルのてっぺんから一本の命綱だけを身に付けて体ごと乗り出すというアトラクション、『エッジ・ザ・ハルカス』をオープンさせる。
文字どおり日本一の高さをもつ『あべのハルカス』の一番上から身を乗り出せるという、いままで日本にはなかったタイプの断崖絶壁スリル体験を味わえるアトラクションだ。
先週、オープンを前にしてマスコミ各社が招待され、その時の様子がテレビで流れた。
専用のスーツとハーネスを身に付け、腰の高さぐらいしかない壁から乗り出して大阪の街並みを見下ろしているのだが、これがなかなかどうして怖い。
下を走る車は豆粒で、人に至っては点でしかないなんて、失神する人間が出てもおかしくない。
お約束は、スタッフの「エッジ・ザ、」のかけ声に合わせて「ハルカース!」と絶叫すると云うのだから、いかにも大阪らしい馬鹿げたアトラクションである。
もし、何か不測のアクシデントが発生すれば………..ビルの社長が切腹したぐらいでは追いつくまい。
ハラハラ、ドキドキは結構だが、大阪府?こんな事許していいのか(怒)
「あ〜あ、嫌んなっちゃ〜た、驚いた」と朝から牧伸二みたいな事を云っているのは、大阪北新地で馬主さん達が集うBARのマスター。
土曜日の『チューリップ賞』ダントツ人気のラッキーライラックが2着、3着に負ければいい配当になると、3連単、馬単で馬券を購入するも、石橋脩Jが鼻唄混じりで大楽勝。
しっかりガミ興行を敢行する羽目となった。
「け!3万と4千買って、払い戻しが1万と9千5百円だってよ。金曜日に店で京都馬主協会会員のSさん夫妻に云ってたんだが、阪神8Rルメ公のフォレストタウンと豊のメイショウタカトラとのワイドに突っ込めば良かったぜ。170円も付いてんじゃん」とぼやく事半端ない。
「今年の『桜花賞』は決まりですね」と競馬友達のK君。
「あ〜100回走ったら99回ラッキーライラックが勝つだろうよ。そったら先の事ぁどうでもいい。今日こそいてこまさなきゃ〜、それこそ『桜花賞』どころか空き缶拾いに精を出さなきゃならねえ事態になる」
「いいレースありますか?」
「こんな薄ダネの時に限って、買いたいレースがモリモリ森昌子だ。特に阪神8Rなんて落ちてるマニーを熊手でかき集めるぐれぇ堅いが、勝負師の端くれなら中山の『弥生賞』を買わねばなるまいて」
「小頭数とは云え、いいメンバーがそろいましたね」
「そだね〜!なんておちゃらけるのも恥ずかしいぐらい堅い。2着以内の括りなら地球を100周しても、ルメ公のオブセッション、プリンスのワグネリアン、将雅のダノンプレミアムで決まる。発表!馬連ワグネリアンとダノンプレミアムが大本線で5万と3千5百、オブセッションからダノンプレミアムに2万、同じくオブセッションからワグネリアンに1万と5千で勝負を掛ける」と結論付けた。
「えらく自信満々ですが大丈夫ですか?」
「こったらレース、くわえ煙草でドウゾ、ドウゾだっちゅ〜の」
「……………」
あべのハルカスの『エッジ・ザ・ハルカス』はハラハラ、ドキドキでも、『弥生賞』はちっともドキドキしないとマスター。
サンリヴァルの前残りで、失神するような事態が起こらない事を祈る!