『宗右衛門ブルース』b y平和勝次とダークホース
きっと来てねと 泣いていた
かわいあの娘は うぶなのか
なぜに泣かすか 宗右衛門町よ
さよなら さよなら 又来る日まで
涙をふいて さようなら
街のネオンも 消えてゆく
うぶなあの娘も 消えてゆく
なぜかさびしい 宗右衛門町よ
さよなら さよなら うしろ姿も
夜霧にぬれて さみしそう
いちょう並木に 春が来る
君にも来るよ 幸せが
なぜかかなしい 宗右衛門町よ
さよなら さよなら もう一度だけ
明るい笑顔を みせとくれ
大阪の街を二分するキタとミナミ。
そのミナミの、心斎橋、道頓堀、宗右衛門町などに、アジアからの外国人観光客が押し寄せている。
人口流出や大手企業の本社機能移転など地盤沈下を続けてきた大阪が、インバウンドをきっかけに復権の兆しをみせ始めているのである。
外国人観光客がたこ焼き片手に闊歩する様は、平和勝次とダークホースが唄ったような風情はないが、外国人であろうが、少々行儀が悪かろうが、そんな事は落としてくれるお金の前には瑣末な事なのである。
「マスターまいりましたね」と競馬友達のK君。
「あ〜参った!参ったの成田山よ。まさか雄一郎の15番人気アポストルが突っ込んで来るとは。門別で3戦勝ちきれなくて、中央転入初戦『カトレア賞』でも、尻っぺたを走っていた馬だぜ。出てる事すら知らなかったよ」
土曜日の東京7R、確かに戸崎Jのミスターメロディは強かった。
2着のユニオンローズは持っていたが、3着のアポストルが抜けで、3連複の馬券がまたしても、鼻もかめないゴミと化したマスター(≧∀≦)
「今日も寒いですが、神戸元町ウインズに来られますか?」と熊本天草出身○原さん。
「あ〜行くよ、行きますとも。あったけえ部屋でタバコ咥えてテレビ見てたら、当たるもんも当たらねえ。こっちとら寒い、あったけえなんて贅沢云ってれるご身分じゃねえよ。石に齧りついても当てなきゃ、来週の連休に沖縄にダイビングで潜りに行くんだが、マジカル!浜で海藻を拾う羽目にならあね」と、またまたいい泣きが入っている。
「狙い馬は?」
「ズバリ!『きさらぎ賞』の平和カツジだ。前走の『デイリー杯2歳S』で見どころがあった。バット!新馬戦で度肝を抜く勝ち方をしたダノンマジェスティ、新馬勝ちの手綱を取ったデムーロへの乗り替わりグローリーヴェイズも怖え。勝つ馬はこの3頭のうちのどれかだろう。発表!嫌々ながらの3連単フォーメーション。一列目にこの3頭。2列目にプラス、人気がないとやたら突っ込んで来る祐介のラセットを入れて4頭。3列目にプラス内から、フルキチ先輩のサトノフェーバー、康成のレッドレオンを足した36点張り一目1千」
「取りガミがあるんじゃないですか?」
「慌てるな、慌てるな。慌てる何とかは貰いが少ねえと云うだろう。そったら事は百も承知よ。人気どころで決まった場合の保険で、枠の7ー8を1万と5千。8ー8ゾロ目の松っちゃんを6千。締めて5万と8千でご機嫌伺いと行こう」と結論付けた。
カツジと聞いて手拍子で平和勝次とダークホースが頭に浮かぶなんて、さすがに近々赤いチャンチャンコを着るマスター。
差し詰め『宗右衛門町ブルース』的に云うならば「きっと来てね〜と……..」だが……。
カツジが吹っ飛んで、ミナミの純なホステスみたいに泣かない事を祈る。
若武者松山J!きばっど!