北新地競馬交友録

取れるはずなのに

クレーン型ゲーム機の景品を絶対に取れないように細工していた大阪のゲームセンターが昨年末、大阪府警に詐欺容疑で摘発された。
観光客を狙って高額景品で勧誘する手口で、被害額は数千万円に上るそうな。
豪華な景品を餌に、「ここで諦めたら、もったいない」「絶対に取れる」と煽り、ニャンと!165万もつぎ込んだ人がいると云うのだからビックリである(・∀・)
「165万も持ってるなら普通に何でも買えるじゃないの」
至極真っ当な考えであるが、沸騰したオツムを冷やすのが簡単でないのは、クレーンゲームだけじゃないようで………..。

「俺の狙い馬はメイン『万葉S』のリッジマンだ。あの文句ばっか云って、ちっとも馬が前に進まないエビショーで、タフな北海道の芝でも、1着2回、2着1回、4着1回なんだから、年の暮れに一発叩いて手薄なメンバーの今回は大チャンス。相手はモチのロンで前年の覇者将雅のタマモベストプレイだろう」
「古川Jも40歳ですからね。3000メートルの長丁場体力が持ちますか?」との競馬友達K君のクエッションには。

「持ちますか?じゃねえよ。気迫で持たせなきゃいけま〜が。発表!3連複リッジマン、タマモベストプレイの2頭軸、相手は内から誠人のプロレタリアト、弘平のグランアルマダ、真一郎のトミケンスラーヴァ、学のラヴラドライトに一目1万。康成のトウシンモンステラに5千。まさか、まさか軽量貴志のサンマルホーム、マルコメのサイモントルナーレに1千。中途半端はやめて奥村チヨで、リッジマンの単勝に3千。締めて5万でいてこます」と結論付けたマスターだったが。

「第4コーナーから直線!トミケンスラーヴァ先頭!内は喰いさがるグランアルマダ!離れた外からリッジマンが追い込んで来た!」
理想的な展開で外目から突っ込んでくるリッジマンに、「うっしゃ!フルキチ来い!差せ!差せ!差せ!」とマスター大絶叫。
「200にかかる!粘っているトミケンスラーヴァ1馬身リード!リッジマンが差を詰める!その内からプロレタリアトが3番手」
「デケタ!後は将雅来い!」と更に一声。
「タマモベストプレイは伸びない!先頭トミケンスラーヴァ!2番手リッジマン!3番手はプロレタリアトか」

1着 トミケンスラーヴァ 秋山J
2着 リッジマン 古川J
3着 プロレタリアト 杉原J
6着 タマモベストプレイ 川田J
まさか、まさかで単勝2.7倍のタマモベストプレイが吹っ飛んで、茫然自失のマスター。
「57キロが堪えたんでしょうね。軽量馬が怖いと思ってました」と競馬友達のK君。
「くぬ野郎!単勝2.7だぞ。全国3千万馬券愛好家の中で、タマモベストプレイが3着もねえなんて考えた奴がどこにおるんな?そんな野郎は生涯負け組だろが。え!違うかK君」と怒髪天を突く勢いのマスター。

因みに、トミケンスラーヴァ、リッジマン、タマモベストプレイの3連複を1万円購入していたので、タマモベストプレイさえ3着以内に突っ込んでくれたら、36.8倍の配当にありつけたマスターが怒るのも無理はない。
「あら、あら、リッジマンの複勝が180円も付いてますよ」と熊本天草出身○原さん。
「てめー!俺に喧嘩売ってんのか?上等じゃねか表に出ろい!かかと落としをくらわしちゃる」
「………..すいません」

正月早々、とんでもない悲運に見舞われたマスター。
どこぞのクレーンゲームじゃない。
当たりがあって、ちょっとした事で取れるのが馬券なんだが……..。
今年も先が思いやられるな〜。

皆様、お付き合いありがとうございました。
明日も続きます。