北新地競馬交友録

山椒は小粒でも

1週間に一度のお楽しみNHK大河『おんな城主直虎』がいよいよ佳境に入って来た。
主役の柴咲コウさんはともかく、出演者のネームバリューが小粒。
井伊直親役の三浦春馬、井伊直政役の菅田将暉、小野政次役の高橋一生のイケメントリオが目立つぐらいで、去年の『真田丸』が豪華なキャスティングだった分だけ、その落差が激しかったのだが、キラリン!と光る新しい役者さん達が注目されている。

奥山六左衛門役の田中美央、 石川数正役の中村織央、瀬戸方久役のムロツヨシ、そして 中野直之役の矢本悠馬。
その矢本悠馬だが、京都府出身の27歳。正直この程度のフェイスでよく役者になったな〜のレベル。フェイスだけでなく、昨今、高身長が当たり前の時代にニャンと!161センチと云うだから驚かされる。この身長なら充分ジョッキーになれるサイズ。今まで何に出演していたかと聞かれても、すぐさま答えられるのは、身内ぐらいのものであろう。

そんな矢本悠馬だが、今週の日曜日、視聴者のハートを鷲掴みした。
主君が女性であることを受け入れ、その主君が家を潰すことを受け入れ、所領を失った後は井伊谷の番人となることを受け入れ、直虎にさんざん振り回されながらも、その都度理不尽な現実に折り合いを付けてきた直之。
そんな直之に対して、直虎は「万千代を通し、“戦をせぬ戦”のため、一緒に戦ってほしい」と改めて思いを伝えられるも、一度は「お気は確かか?」と頑として首を縦に振らないのだが……..。

直虎の一歩も引かぬ態度に、いたずらっ子のような笑みを浮かべながら最後に直之が放ったセリフ、「男冥利に尽きるということにしておきますよ」と承諾。
これまでどれほど直虎を慕っていたかが凝縮された一言だった。
直之の繊細な心を体現した矢本悠馬の演技に、ネット上では「之の字、格好良すぎる!」「最高のツンデレ」「あの之の字が…泣」「中野直之万歳。矢本悠馬万歳」など、賞賛の声が多数あがった。
直之の成長、そして矢本悠馬の役者としての成長を感じさせる素晴らしいシーンであった。
矢本悠馬!山椒は小粒でもピリリと辛いのである(╹◡╹)

2000年に日本初のダート国際招待競走として施行された『ジャパンカップダート』。
2007年まで『ジャパンカップ』の前日に行われていたが、2008年からは時期を繰り下げ、阪神競馬場のダート1800mで施行。
更に2014年からは中京競馬場のダート1800mに、名称も『チャンピオンズカップ』に変更された。
現在では冬のダート頂上決戦として位置付けられている。
阪神競馬場では、僅か6回しか行われなかったがマスターの心に残った出来事があったのは、ヴァーミリアン、サクセスブロッケン、カネヒキリ、カジノドライブ、フリオーソと、稀代の砂巧者が揃った2008年のレースだ。

「4コーナーから直線!フリオーソ!ティンカップチャリス!サクセスブロッケン3頭広がった!カジノドライブも前に取り付く!外!外からヴァーミリアン!」
1番人気のヴァーミリアンが進出しようとしたところで、「差せ!差せ!差せ」と馬主席に響き渡る怒声が真後ろで。
1番後ろの席で観戦していたマスターが、余りの大きな声に何事かと振り返ると、その目に飛び込んで来たのは、三揃えのスーツ、黒のシャツにシルバーのネクタイをキリリと締めた銀髪の紳士。
メイショウの冠でご存知松本良雄さんだ(≧∀≦)
「ヴァーミリアンに並んでメイショウトウコン!メイショウトウコンが追い込んで来た!サクセスブロッケン先頭!間からヴァーミリアン!外からメイショウトウコン!カネヒキリが先頭!メイショウトウコン来た!カネヒキリ!メイショウトウコン!二頭並んでゴールイン!ヴァーミリアン敗れた!ヴァーミリアン敗れた」

1着 カネヒキリ ルメールJ
2着 メイショウトウコン 藤田J
3着 ヴァーミリアン 岩田J
4着 サンライズバッカス 佐藤哲三J
5着 ブルーコンコルド 幸J
スタート直後は最後方を進むも、徐々に位置を上げたメイショウトウコンは、番長藤田伸二を背に、単勝2.2倍圧倒的1番人気ヴァーミリアンを徹底マーク。
3コーナーでヴァーミリアンの岩田Jが動くとそれに合わせて捲りをかけた。
最後の直線では勝つ脚色だったのだが、復活ルメールJのカネヒキリにアタマ差での惜敗。
単勝25.7倍の7番人気なのだから、これはもう立派としか云いようがない。

『日本馬主協会連合会』の現在は名誉会長で、2005年〜2012年まで、我らが安倍ちゃんも仰け反るぐらいの長きに渡って会長職を務められた松本良雄さん。
もちろん口取りでは何度も見ていたが、あれほど近くでルッキングしたのは初めてのマスター。
「いや〜!大した!たまげた!驚いた!小柄のあの身体のどっからあんな声が出るんだ。この俺が引くぐれえのど迫力よ。あれで最後の旦那、仏の松本オーナーと云われて、調教師や騎手だけでなく、馬産地でも悪く云う人間が1人もいねともっぱらなんだから、てーしたもんだ。あの胆力たるや半端ねえぞ。いや〜恐れ入谷の鬼子母神。今日はいいもん見せて貰ったぜ」とはもう随分昔の話し。

俳優の矢本悠馬じゃ〜格が違い過ぎるが、どちらも山椒は小粒でビリリと辛いなるなりである(╹◡╹)

さ〜『チャンピオンズC』がやって来る!