『どうにもとまらない』byリンダ山本
うわさを信じちゃいけないよ
私の心はうぶなのさ
いつでも楽しい夢を見て
生きているのが好きなのさ
今夜は真っ赤なバラを抱き
器量のいい子と踊ろうか
それともやさしいあのひとに
熱い心をあげようか
ああ蝶になる ああ花になる
恋した夜は あなたしだいなの
ああ今夜だけ ああ今夜だけ
もうどうにもとまらない
秋の大一番『天皇賞』
マスターはもちろん『菊花賞』以来のご贔屓キタサンブラックを軸と考えていたのだが、店でグリーンチャンネルの追い切りを見て「なぬ?なんじゃこりゃ」
いつもなら唸るような走りのキタサンブラックなのに、どうにも走りが良くない。
どうすべえかと悩んでいらところに競馬の予想番組のゲスト達の発言が決め手となった。
「ラスト3走、『有馬記念』で有終の美を飾るために今回は軽めの調教。この馬の場合3走目に必ず崩れるから、今回はそれを見越しての仕上げ」
「春の天皇賞、レコードで走って馬が競馬を嫌になってしまっている」
「稍重まではこなせるが、馬場が悪化すると厳しい」
「万全の態勢とは云い難い。噂によると本当は『ジャパンカップ』と『有馬記念』二走にしたいが、売り上げアップのためにJRAに頭を下げられた」etc。
ネガティヴな発言の連発に宗旨替えだ。
「リアルスティールにするか、サトノクラウンにするか悩みに悩んだが、最後の決めては屋根だ。どこの馬の骨とも判らねえシュミノーが乗るリアルスティールより、イタリアの至宝デムーロが乗るサトノクラウンの方が頼りになる。もっとも雨で馬場が読めねえし、今回は3連複にしよう。サトノクラウン一頭軸、相手は内から馬場が合いそうなシュタルケのネオリアリズム、2000がギリギリガールシュミノーのリアルスティール、調教群抜謙一のヤマカツエース、地力で何とか豊のキタサンブラック、間違ってルメールのソウルスターリング、秋天お任せ圭太のステファノス、成長著しい裕信のグレーターロンドン、てるてる坊主ぶら下げてる将雅のサトノアラジン、一発叩いて復権ウチパクのマカヒキまで。相手9頭36点を一目1千円。半端の4千はおまじないでサトノクラウンの単勝を買う」と結論付けたのだが…….。
「スタートしました!ディサイファ!そしてキタサンブラックが出遅れた」
「どりゃ!やった!やった。いいんじゃねえの」
軸から紐に降格させたキタサンブラックの出遅れに、右手の握りこぶしを突き上げたマスター、くわえ煙草で余裕のよっちゃんだ。
「第4コーナーから直線!最内を突いてキタサンブラックが追い込んで来る!先頭に躍り出た!400を通過!2番手サトノクラウン!3番手レインボーライン!そしてリアルスティール!グレーターロンドンは遅れた!先頭は堂々とキタサンブラック!追ってサトノクラウンが内を突く!キタサンブラック!キタサンブラック!差を詰めるサトノクラウン!キタサンブラック!ゴールイン!キタサンブラックです」
噂を信じてキタサンブラックからサトノクラウンへチェンジするも、リンダ山本顔負けのどうにも止まらないキタサンブラックの走りに悶絶したマスター。
枠連1ー4で800円、ワイド2ー7番で410円。
「なんだ!あいつら、見て来たようなデマ流しやがって。こったら馬券普通ならいの一番に買ってるぜ。予想屋ほど気楽な商売はねえよな、適当な話し並べてハズレてもすいませんの1つもねんだもん。どうせ馬券なんて買ってねぇんだろう。大体がよ………」いくらこき下ろしても自分の馬券が大ハズレの状況には何の変化もない、
マスター!武豊Jとキタサンブラックは別格。
本当に馬鹿だな〜(*´Д`*)