『防人の詩』by まさしさだ
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に限りがあるのならば
海は死にますか 山は死にますか
風はどうですか 空もそうですか
おしえてください
私は時折苦しみについて考えます
誰もが等しく抱いた悲しみについて
生きる苦しみと 老いてゆく悲しみと
病いの苦しみと 死にゆく悲しみと
現在の自分と
答えてください
この世のありとあらゆるものの
すべての生命に約束があるのなら
春は死にますか 秋は死にますか
夏が去る様に 冬が来る様に
みんな逝くのですか
日本シネマ不朽の名作『二百三高地』
「兵達には 、死んでいく兵達には 国家も軍司令官も命令も軍規もそんなものは一切無縁です。灼熱地獄の底で鬼となってやられていく苦痛があるだけがです。その苦痛を、部下達の苦痛を、乃木式の軍人精神で救えられるか!」あおい輝彦さん扮する小賀少尉の言葉が、仲代達矢さん扮する乃木希典大将の胸に沁みる。
以降、乃木大将のハートは暗い暗渠で行き場を無くし、負のスパイラルの中を彷徨い続ける事になる。
なんて、悲しいんだろうか。
このシネマは戦争の本質を見事なまでに描き尽くしているのである。
「えれぇ事だ!」
「マスターさん、どうしたんですか?」と競馬友達のK君。
「どうも、こうもあるかい。今週の豊のブログ読んだか?」
「いえ」
「たった4行だぜ。『うれしいこともあり、そうでもないこともあった、先週の競馬。今週末は、中京でたくさんのいいことに出会えるように頑張ります』こりゃ〜キタサンブラックのドカ負けが大分堪えてる。なんせレースの前のブログでは、『競馬ですからなにが起こるかわかりませんが、負けられない立場ということはよくわかっているつもり。天気予報によると馬場は渋り気味のようですが、あの馬なら少々の道悪もこなします。ファン投票で史上最高の得票数を集めたわけですから、期待にこたえないわけにはいかないでしょう。決めるつもりです』と云い切ってんだからよ」
「まさかの9着ですもんね」
「そうよ。俺が思うにファンの期待を裏切った事はもちのロンだが、騎手人生の総決算としてキタサンブラックで『凱旋門賞』をいてこまそうと思ってたんじゃねえかな。それぐれぇこの馬のポテンシャルを信じていたって事だろう。平場のレースで「1番人気を飛ばしてスイマセン」とは次元が違うよ。豊が負のスパイラルに落ちなけりゃ〜いいんだがよ。俺ぁ心配だ」
武豊Jの心配をする前に、自分の財布の中身を心配した方がいいマスターでも、豊!大丈夫か?なんだから緊急事態発生である。
「いい時は寄って来て、具合が悪くなると、あっと云う間に愛想尽かしするのが人の常だが、キャリア30年筋金入りの豊ファンとしたら、ここで応援しなきゃ〜いつ応援すんだ!てなもんよ」
「日曜、勝負の馬がいてますか?」
「おう!中京最終ダート1900。逃げ先行が有利なのは承知の助。しかも豊の追い込みなんて普通ならおとろしくて買えねえが、こんな時こそ活きのいい3歳馬ムイトオブリガードに賭けてみる。デビューが去年の10月で僅か3戦。これからが伸び盛りだろう。相手は1000万下でも勝ち負けデムーロのストライクイーグルを始め多士済済のモリモリ森昌子だ。発表!ムイトオブリガードの1枠からストライクイーグルの8枠に3万、同じく枠の1ー6、1ー7に各1万。元返しの保険で枠の7ー8に3万、6ー8に1万と4千。ムイトオブリガード、ストライクイーグル三連複2軸、相手は内から軽量極のラローデ、圭太のフランドル、祥太のカルムパシオン、ジェントル幸のラインフィール、プリンスのマンハッタンロック、好漢竜二のキングサムソンの6頭一目5千。締めて12万4千でいてこます!」
土曜日の払い戻しを一銭も残さず張り付けるマスター。
『二百三高地』は戦争の本質を描いたが、「結局のところ判らない」競馬の本質が如実に現れた『宝塚記念』
その負のスパイラルを断ち切ってくれ!との思いは、武豊信者のマスターの面目躍如でも…….。
武豊Jは負けても生活には何の差し障りもないが……..赤貧洗うが如し暮らしなのに(~_~;)
マスター!大丈夫か?