『唄を忘れたカナリヤ』by 八十西条
唄を忘れたカナリヤは
後の山に棄てましよか
いえいえ それはなりませぬ
唄を忘れたカナリヤは
背戸の小藪に埋けましょか
いえいえ それはなりませぬ
唄を忘れたカナリヤは
柳の鞭でぶちましよか
いえいえ それはかわいそう
唄を忘れたかなりやは
象牙の船に銀の櫂
月夜の海に浮べれば
忘れた唄をおもいだす
本能的に唄を歌うのが仕事とのようなカナリヤでも、心に傷を負うと歌えなくなる事がある。
そんな時でも、心の平穏を取り戻してあげるべく、月夜の海に浮かべると忘れていた唄を思い出す事が出来る。
これを人生に置き換えると…….西条八十と云う方は類い稀なき才を持っておられた。
バット!当たりを忘れた馬券愛好家は(~_~;)
「あ〜あ、どうすっかな?まさかサトノダイヤモンドが厄の8枠を引くとはな〜。キタサンブラックとのワイドで鉄板だと思っていたが、ニャンとも嫌な予感がする。◯◯さんどう思います?」
木曜日の夜、店が連休を控え浮かれているお客さん達で一杯にも関わらず、放ったらかしで『天皇賞』の見解を聞いている相手は、京都馬主協会会員さんで、馬体を見る事にかけては一家言をお持ちの◯◯さん。
「サトノダイヤモンドは完成されてますし、ルメールなら問題ないんじゃないですか」
週刊競馬ブックの写真を見ながら自信を持ってのアンサー。
「そんなもんですかね〜、キタサンブラックはお約束の内枠を引いて万全。豊を軸にするのに何の迷いもないですが、やっぱサトノダイヤモンドは厄だな〜。もう一頭あげるとしたら?」
「シュヴァルグランんでしょ。長距離を走れるいい馬体になって来ました」
「内枠で人気しそうなシャケトラはどうですか?」と、横で話しを聞いていた、ジャガイモから戦車のベアリングまで売る、外資系商社勤務のY君。
「体型や筋肉の付きかたからすると、2400、いや2000がベストだと思います」
「よ〜し!決めた!豊のキタサンブラックとプリンスのシュヴァルグランのワイドで勝負を賭ける。3倍は付くだろう」とマスター。
K君の首根っこを押さえつけて、月曜日に詰めるからと毟り取った10万円を、3ー6のワイドに張り付けるらしい。
唄を忘れたカナリヤならぬ、当たりを忘れた馬券愛好家を助けるには、武豊Jと福永Jの頑張りしかない。
宜しくお願い申し上げまス!