元電通社員の高橋まつりさんが過酷な労働に耐えかね、自ら命を絶たれると云う、大変不幸な事件が起こってしまった。
心から哀悼の意を表させていただきたいと思う。
「月曜日の午後にプレゼンしてくれ」
「………..かしこまりました」
広告屋の端くれに席を置いていて、耳にタコが出来るほど聞いた言葉。
クライアントからそう申し渡されるのが金曜日の午後だ。
「無理だったら他に頼むからいいよ」
「滅相もない!いいご提案をさせていただきます」
大阪の守口にあるJAPANを代表する企業でのやり取りが思い出される。
心の中では「あ〜あ、また土日出勤か(~_~;)」と嘆いても、どうする事もナッシング。
彼女の務めていた電通に大いに問題があったのは間違いないし、猛反省をしなければいけないのは当たり前だが……人をこき使って当然と思っているクライアントにも非がないとは云えまい。
この歳になるとよく判る。
仕事に忙殺されて悩んでいる方々に申し上げたい、「仕事のために自分を犠牲にするなんておやめなさい」と。
プライドやキャリアなんて本人が思っているほど周りは評価も気にもしていない。
死ぬ気で頑張れば、年収が億になるならともかく……。
必死でもがいている時は、人生でもっとも輝くであろう時期に、失う時間の尊さに気が付かないのは致し方ないが、まずは立ち止まって深呼吸をひとつではないだろうか。
さんまちゃんが昔テレビCMで云っていた「幸せ〜てなんだっけ?なんだっけ?ポン酢醤油のある事さ〜」
そう、馬車馬並みに働くのは、人並み外れた強靭な精神力、体力を持っている人に任せればいいのである。
「マスターさん!明日の東京メイン『富士S』は面白いメンバーが揃いましたね(^O^)/」
「たわけ!競馬はシネマや小説じゃねえんだ。いくら面白くても当たらなきゃ何にもならねえよ。『富士S』は勝ってもおかしくない馬が4〜5頭はいる。馬券圏内ならいらねえ馬は一頭もいねえだろ。こったら難しいレースは、マニーを一杯持っているお大尽か、競馬オタクに任せておきゃいいんだ。俺はそんな道楽してる余裕なんてねえよ」と、いきなり熊本天草出身の◯原さんに、お説教を垂れてるんだから、大向こうから「もっと!おたっしゃ倶楽部を大切にしろ!」とお叱りを受けても仕方がない。
「そうですか、じゃあどのレースで?」
「うむ、京都はダメだ。最終の藤岡ブラザーズでいてこまそうかと思ったが、康太のスリーアローは前々でレースを運べるからいいが、アニキの祐介が差し馬で1枠1番。チョイと手綱さばきを間違えば、差し届かない危険がデンジャラスよ。新潟7Rの若手限定がいいんじゃねえか。力関係は歴然としている。啓太のリンガスウーノが断然で、相手も祥太のワキノハガクレ、一樹のイアペストでいいだろう」
「伴ジョッキーは今年まだ4勝。加藤ジョッキーは28勝ですが、菊沢Jは6勝ですよ。寒くないですか?」
「大いに寒い!昨日雪が降った札幌並みに寒ぃが、善臣大先生からの乗り替わり、ルメールやデムーロからの乗り替わりなら怖くて買えねえが…….啓太もここいらでいいとこ見せなきゃどうしようもねえだろう。祥太は小じっかりしてるから大丈夫だ!このワイドにしよう。3万ばかしでご機嫌伺いと行こうじゃねえか」と結論付けた。
サラリーマンは、死ぬ気で働くなんて馬鹿げてると思うが…….騎手は結果が全ての世界。
ノンビリしてたら、それこそ廃業するしない。
伴啓太君!ガンガレ(^O^)/