北新地競馬交友録

認知的不協和

京都馬主協会のブログ『北新地競馬交友録』がもう直ぐ400回を数える。
スタートをして1年半に満たない期間としては結構なペースだ。
「読んでますよ!」と云うお言葉を思わぬ方から頂戴する事も万度。
先日は某国立大学の学部長を経て、現在、私立大学で宗教哲学を教えておられるM教授からご連絡を頂戴した。
「まめに書くのは結構だけど、もう少し知性の感じられる内容にしてくれたまえ」
「へへ〜」てなもんである。
間違っても「痴性はあるけど知性はありましぇ〜ん!」などと開き直ってはいけない。
お言葉を受けて本日は、少し真面目に行ってみようか〜!先生!
(全然、反省してませんなm(._.)m)

USAの著名な心理学者に、レオン・フェスティンガーと云う方がいる。
ロシア系ユダヤ人の移民の子としてNYに産まれ、『社会心理学の父』と呼ばれるクルト・レヴィンにアイオワ大学で学び、認知的不協和理論や社会的比較理論を発表。
社会心理学においては数学的、測定論的厳密さにこだわるより、理論や方法の曖昧さを許容したほうが、発見的価値が高いと主張したお偉い方である。
特に認知的不協和理論は有名。
噛み砕いて云うと、ダメだと分かっていながら、ついやってしまうときに生じるハートの動きを解き明かしている理論だ。

「考えていること」と「行動」に矛盾が発生している状態に陥った場合。
例えば、「これ以上酒を飲んじゃいけない!身体に悪い!」と思っていても、ついついグラスに注いでしまう状況だ。
普通の人は考えと行動に矛盾が生ずると、気持ちが悪くなってしまい、どうにも落ち着かなくなる。
これが認知的不協和で、矛盾を無くそうとハートが動くのだ。
その矛盾を解消するための方法としては2通りの方法がある。
a 考えに合わせて行動を変える。
b 行動に合わせて考えを変える。

理性的な人なら当然aで「身体に悪いから飲み過ぎはやめよう」となる。
バット!多くの場合、人はbの方法で認知的不協和を解消しようとするのだ。
「お酒は少しくらいなら飲んでも身体に悪くない」と思い込み、「逆に、飲んだほうが健康にもいい!酒は百薬の長」とまで自分に云い聞かす事で、すでに行ってしまった行動を正当化するという訳である。
人が自分を正当化するかたちで、行動してしまうのは、心理学的に説明がつくと云う事だ。
その正当化の名人と云えば、ご存知自称北新地の馬券師Palmsのマスター(笑)

日曜日中山メイン『朝日セントライト記念』
この3歳世代最強の呼び声高いディーマジェスティーの相手に、マスターが指名したのがマウントロブソン。
「え!マウントロブソンは無理です。移動中にクギを踏んだとかで、追い切りも酷いもんでしたよ。全然仕上がってません」と競馬友達K君の進言にまるで耳をかさないばかりか……….。
「マスター!本当に買うのやめてください。プラス18キロですよ!18キロ」
「う!うる星やつらのラムちゃんよ。ここは肉屋じゃねえんだ。馬肥える秋とも云うだろが」
「違いますよ!調整不足なんですって、調教師のコメントも弱気ですよ」
「堀先生つ〜のは奥ゆかしい方だがね」
危ういと思いつつ、ダービーのスタートで安目を売っても、マカヒキに0.6まで迫った脚に惚れ込んだマスター、ディーマジェスティーとのワイドに3万円を張り込んだのだが……..。

「4コーナーカーブ!ゼーヴィントが先頭!外からディーマジェスティー!ディーマジェスティー!皐月賞馬が先頭だ!その外からプロディガルサン200を切った!内からピースマインド!ディーマジェスティー!内食い下がるゼーヴィント!プロディガルサン3番手!ディーマジェスティー!ゴールイン!これが皐月賞馬の貫禄だ!」
スタートで馬体をぶつけられて、また、また安目を売ったマウントロブソン。
川田Jのコメントによれば、終始ハミを噛み通しで、全く持ってリラックスして走れなかったとか。
3コーナーから4コーナーへのカーブ、ディーマジェスティーが捲り気味に上がっていったところでついて行けずレースは、いいとこなしで終わってしまった(≧∇≦)

「何か云いてえ事があんのか?あるならハッキリ云えよ」
「……………いえ別に」
「おう!別にとは何だ別にとはよ〜!そったら言い回しは……….」
己の失敗なのにK君に八つ当たりとはマスターお行儀が宜しくない。
レオン・フェスティンガー教授に云わせれば、まさに認知的不協和の対応が凶と出た事例であろう。
M先生!また精進します、本も読みます。
今日はこれぐらいで勘弁しといてくださいませ(u_u)

皆様、お付き合いありがとうございました。
明日も宜しくお願い申し上げます!