沛公旦日従百余騎、来見項王、至鴻門。
謝曰、「臣与将軍戮力而攻秦。将軍戦河北、臣戦河南。然不自意、能先入関破秦、得復見将軍於此。今者有小人之言、令将軍与臣有郤。」
項王曰、「此沛公左司馬曹無傷言之。不然、籍何以至此。」
不世出の競馬評論家?予想家?の清水成駿さんが、この4日鬼籍に入られた。
大阪スポーツ(東京スポーツ)で連載された『馬単三国志』は、競馬の予想を単なる当たり外れの世界から、読み物としての高みに引き上げ、絶大なる人気を博したのである。
チャイナの故事がお好きで、『三国志』やら『孫子の兵法』への造詣が深く。
それを競馬とオーバーラップさせ独自の世界を確立なさった。
そんな清水成駿さんに、私も大いに影響を受けているのは間違いない。
敬意を表して、いきなりチャイナの文字を並べてみた。
前出の漢文であるが、『史記』に記された『鴻門の会』の冒頭である。
紀元前206年、楚の項羽と漢の劉邦が、秦の都咸陽郊外で会見した。
圧倒的に戦力が上の項羽に、劉邦が謀反の疑いを掛けられ申し開きをする場面。
関西弁で云うならば「必死のパッチ」で身の潔白を語る劉邦に、項羽も理解を示し「いや〜曹無傷が……….」
悪いのは、ある事ない事讒言をした裏切り者曹無傷だと云うことで一件落着だ。
風前の灯の窮地を脱した劉邦は、曹無傷を速攻斬首の刑に処す。
古今東西、裏切り者の末路は哀れと相場は決まっているのである。
「本当はご当地スグルちゃんを買いたいんだが、土曜日はどうにも微妙な馬が多くてよ〜。将雅の10R『指宿特別』スーパーライナーがいいんじゃねえか。小回りでコーナーを4つ回る小倉ダート1700は内枠が有利だが、6枠12番なら何とかなるだろう。行きたい口の祐介のディープオーパスが大外を引いたのも援護射撃になる。人気もそこそこ割れるだろうから単勝1万、複勝4万、馬連で内から康太のマッシブランナー、康誠のノーザンバローズ、スグルちゃんのプラックジョー、豊大明神のエイシンニトロ、ジェントル幸のキングラディウス、祐介のディープオーパスの6頭一目5千。締めて8万でいてこまそうと思う」と、日頃disってる川田Jに宗旨替えしたマスターだったが………..。
「直線コースを向いて先頭はマッシブランナー!2番手はスーパーライナー!」
発馬は5分ながら、番手の好位をキープしたスーパーライナーがマッシブランナーを追うが脚色が微妙。
「将雅!将雅!将雅!追え!死ぬ気で追え!」と半狂乱で絶叫するマスター。
「残り200を通過!ディープオーパスが外から先頭を伺う!内スーパーライナー苦しいか!お〜外を突いてブラックジョー!ブラックジョー!連れてタニノマンボ!交わした!交わした!タニノマンボが抜け出してゴールイン」
1着 タニノマンボ 和田J
2着 ディープオーパス 藤岡祐介J
3着 ブラックジョー 浜中J
「1番の贔屓は豊大明神、あとは雄太、スグルちゃん、竜二かな〜」と常日頃から公言しているマスター。
馬券があんまり曲がるので手のひら返しで川田Jを買ったのだが………大枚8万円が鼻もかめないゴミと化した。
「マスター!和田Jの馬は買えないでしょうが、浜中Jの複勝を買ってたら440円も付いてますよ。ダメですよ〜川田Jなんて買ったら、だいたいですね…………」と、競馬友達K君の傷口に塩を擦りつけるような声が流れてくる携帯を、持ったまま呆然としているマスター。
怒鳴り返す元気すらないのであるm(._.)m
劉邦を裏切った曹無傷じゃないが、贔屓のジョッキーを見切った罰を喰らったマスター。
「斬首された訳じゃないんですから、まだマシでしょ」って?
いやいや、お金がないのは首が無いのも同じ事(~_~;)
マスター!あんたマジカルどうすんの?
皆様お付き合いありがとうございました。
「これが外れたら競馬辞める!」
最後の聖戦のお話しは明日です。
宜しくお願い申し上げます。