北新地競馬交友録

軽いが1番

昼間の暑さが少しだけマシになった夕刻。
北新地で浴衣を着て、髪をきれいに結って貰ったホステスさん達が目立つようになるのは、大阪夏の3大祭りの先陣をきる『愛染祭り』が始まった先週ぐらいから。
『愛染祭』は、浴衣姿の愛染娘たちをのせた宝恵駕籠のパレードが人気。
江戸時代には芸者さんたちをのせていたものを、現在に再現しているのである。

『愛染祭』が天王寺を中心とした南のお祭りなら、北のお祭りは7月24.25の両日行われる『天神祭り』
3000人を超える大人数で陸路を行幸する「陸渡御」、川を100隻あまりの船で進む「船渡御」、天神橋筋商店街を巡行する「ギャルみこし」、そしてクライマックスは大川の川面を染める奉納花火だ。
我がJAPANのお祭りはいたってオーソドックスなのだが………。

7月の声を聞くと北欧フィンランド中部のソンカヤルビで行われるのが『妻担ぎ選手権』
短い北欧の夏を彩るお祭りだが、最近観光客が大勢詰めかけているそうな。
男性が奥さんを抱えて障害物を乗り越えるレースで、今年は12ヶ国50組が参加。
奥さんは17歳以上、体重が49キロ以上あることが条件で、100キロの巨漢でもオッケーなのだ。
レースで優勝する為には男性の腕力も必要だが、やはり奥さんが軽い方が有利。
例えば、ニャンキュッパ!の桐谷美玲ちゃんならいいが、ドスコイ渡辺直美ちゃんだと、はなからハンデを背負ってしまう(~_~;)

「マスターさん!福島の『ラジオNIKKEI賞』はどうしますか?」
「うむ、ハンデ戦なんで無茶苦茶難しい。定量なら豊大明神ブラックスピネルが一枚も二枚も抜けているが……..3着までの括りなら何とかカッコ付けてくれんじゃねえかな〜。ブラックスピネル1頭軸3連単マルチ、相手は内から圭太のゼーヴィント、雄一のアップクォーク、裕信のジョルジュサンク、照男のストーミーシー、裕紀人のダイワドレッサー、弘平ナイトオブナイツ、洋文のロードヴァンドール、誠人のピックミータッチ、勝春のカネノイロの相手9頭216点張り一目百円でご機嫌伺いと行こうか。気になるのは裕紀人のダイワドレッサーよ。『オークス』で大外枠。スタートでヨレれて最悪の展開ながら、勝ったシンハライトと0.4たぁ〜ひょっとしたら強いかも。夏は牝馬と云うしな〜、半端の3千4百で複勝も買おう!」
その直感を信じれば良かったのに……..。

「スタートしました!まずはスタンド前1コーナーに向かいます!」
ニャンと!軸のブラックスピネルが立ち上がるようなスタートで完全な出遅れ。
小回りの福島コース、それでなくても外目を回されるのに、しかもトップハンデ57を背負ってるのだからこれは苦しい。
「OH!マイ!ゴッシュ!豊の野郎何やってんだよ。ダメだ!ダメだ!スターターも豊がヨシ行くぞ!そのタイミングを見なきゃいかんだろ。頭来たぜ(`_´)ゞ」と無茶苦茶自分勝手な事を云っている。

「第4コーナーを回って直線!ジョルジュサンク!ジョルジュサンク!ダイワドレッサー2番手!外からアーバンキッド!おお外ブラックスピネル!あいだからゼーヴィント!ゼーヴィントが抜けた!2番手接戦!ゼーヴィント!ゴールイン」
1着 ゼーヴィント 戸崎J
2着 ダイワドレッサー 石川J
3着 アーバンキッド 福永J
4着 アップクォーク 柴山J
5着 ブラックスピネル 武豊J
出遅れ、トップハンデ、小回り3重苦のブラックスピネルはメンバー最速の上がりで追い込むも、掲示板を確保するのが精一杯とは泣けてくる。

「マスター!ダイワドレッサーの複勝460円も付いてますよ」
競馬友達K君が傷心のマスターに追い打ちを掛ける神戸元町ウインズ午後4時前。
ヘナヘナと腰砕けで床にへたり込むマスターは惨めとしか云いようがないのである(u_u)
反省会はいつもの台湾料理『◯玉食堂』
◯原さんがアイホンを見ながら、「え〜武豊Jのコメントが出てますよ『ゲートに突進して下がった時にスタートを切られた。ハンデも重かったし、今日は条件が厳しかった』と仕方ないといった表情だったとの事です」
「仕方ない!とはなんない!仕方ないとは。豊の野郎調子乗ってんじゃねえのか。ハンデが重いのは最初から決まってんだよ!」
常日頃、『豊大明神』『世界の豊様』と崇め奉っているマスターの罵詈雑言、お里が知れると云うものである。

やっぱ渡辺直美ちゃんより、桐谷美玲ちゃんの方がいいのかもとは、まあまあ愉快な仲間達の一致した意見と相成った(笑)
トップハンデは厄だ〜。