アメリカンシネマの中でよく使われるのが『いい奴』と云う台詞。
警官物や戦争物では、『For He’s a Jolly Good Fellow』(彼はいい奴だ)を、全員で大合唱してるシーンをよく見る。
アメリカ人にとって『いい奴』と云う表現は、少し特別な意味を持っているのかも知れない。
大統領選挙で、泡沫候補かと思いきや、一躍共和党候補に躍り出そうなトランプさんの、著者の中でこんな下りがある。
「自分は本当にいい奴なんだ。本当に。自分はいい奴だというのが自慢なんだが、同時に自分は情熱的だし、この国をまた偉大な国にすると固く決心している」と『いい奴』の乱れ打ちなのである。
「直線を向いてスズカエメラルド!馬体を併せてフラワーファースト!更にオーミパドドゥ!リベリーターン!ダンスウイズミー!」
神戸元町ウインズに2週間ご無沙汰だったマスターが、朝イチから声援を送っている。
「いけ!いけ!竜二!差せ!差せ!竜二!」
「さ!ここで抜け出したのは10番オオミパドドゥ!フラワーファーストを交わした!交わした!リベリーターンは3着まで!」
「あ〜あ、竜二の1000勝が掛かってるのに、恭介も将雅も余計な事しやがってよ〜。ち〜とは遠慮しろってんだ!」
「マスター、競馬は常に全力勝負ですから」と競馬友達のK君。
「そんな事ぁ〜百も承知の助だが、なんせ竜二だから勝たせてやりてえじゃねえか」
このレースは和田Jの1000勝が掛かっていたのだ。
4月16日の熊本地震発生に、いの一番に手を上げて、日本赤十字社を通じ被災地支援として金200万円を寄付した和田J。
何も寄付は今回が初めてではない。
100勝の区切りのたびに京都府京丹後市の児童養護施設を訪問し、子どもたちへの支援を10年近く続けているのである。
「ジョッキーが、チャバクラでシャンパン10本抜いて60万払ったなんて話しはよく聞くが…….なかなか出来る事じゃねえよ。それに竜二の騎乗に対する姿勢が好きだ。勝ち負けにならなくても、最後まで一生懸命追ってるもんな〜。『いい奴』だよ竜二はよ〜」とマスター。
「第4コーナーから直線!外を突いたウインムートが抜け出しにかかる!内からファインニードル!連れて上がって行ったのがウェーブヒーローあいだから!」
4.5番手のインでじっと構えた和田Jのウェーブヒーローが、直線で前を捉えにかかる。
「どりゃ!竜二!差せ!差しちまえ!こんにゃろ!いてこませ!」
渾身の声援を送るマスター((((;゚Д゚)))))))
「先頭は!粘る!粘るファインニードル!外からウインムートも脚を伸ばしてくる!あいだからウェーブヒーロー!ウェーブヒーロー!3頭ほぼ並んでゴールイン」
京都6R
1着 ウェーブヒーロー 和田竜二
2着 ウインムート 松山弘平
3着 ファインニードル 川田将雅
「今回は将雅も空気読んだみてえだな」
「ですからマスター!競馬は常に全力勝負ですって云ってるでしょ」
「たわけ!冗談に決まってんじゃねえか」
和田J!1000勝おめでとう(⌒▽⌒)
トランプさんみたいに、自分で『いい奴』を連呼する人間は、全く持って信用できないが、あんたは本当に『いい奴』だ!
皆様、お付き合いありがとうございました。
明日はいよいよ!松本伊代で『NHKマイル』のお話しです!
宜しくお願い申し上げます。