「真実はひとつ!お前達の悪巧みはぐるっと!まるっと!ごりっと!全てお見通しだ!」
名探偵コナン君やTRICKの仲間由紀恵ちゃんに出張って貰う必要もない、単純な横領事件が発覚した。
三河信組合職員の鈴木容疑者が、同信組合の現金1千万円を横領した疑いで逮捕されたのだ。
銀行の金庫の1千万円分と思われた束のうち、上下の2枚だけ本物の1万円札で、ほかは白紙だったと云うのだからこりゃ驚いた。
帯封に鈴木容疑者の印鑑が押されていたため電話で問い合わせると、「今から説明に行く」と言ったきり行方不明とは、どこまでも計画性がない。
結局、鈴木容疑者は北海道に逃亡するも、帯広署に自首をしてお縄となった。
何でこんな直ぐにバレるような犯行に手を染めたのか?
年齢が53歳で借金があったらしいが、一千万なら退職金で余裕のよっちゃんで工面できただろうに、どうにも理解に苦しむ犯行なのである。
「マスターさん、『皐月賞』は3強と云われてますが、何から買いますか?」
「そうよな〜『弥生賞』組のマカヒキとリオンディーズの力が一枚上のような気がするが、『桜花賞』のメジャーエンブレムで中途半端なレースをしたルメールが、2週続けて下手を打つなんて考えられねえ。長くいい脚を使うサトノダイヤモンドなら早めのスパート。それをリオンディーズが追いかけて、マカヒキがその後ろから差してくる展開よ。リオンディーズのデムーロは、『弥生賞』では持ってかれて、最後マカヒキに差されたのを忘れる訳がないから、今回はガッチリ抑えて行くはずだ。キチンと折り合えば最後の脚は五分と五分よ!」と自信満々でサトノダイヤモンドとリオンディーズのワイドに5万円を張り付けたのに………….。
「前半1000メートルの通過タイム58秒4!これは早い!」
何をトチ狂ったか、番手に付けたリオンディーズが3コーナ手前で先頭に立つ暴走。
これにはマスターが怒った。
「デムーロの野郎何やってんだ!あんにゃろう!このにゃろう!マカロニ野郎!持つ訳ねえだろう!」
罵詈雑言を浴びせるも、「走り出したら止まらないぜ!土曜の夜の天使さ〜!」ハウンドドックとはマジカル泣けてくる。
「第4コーナを回って直線!リオンディーズ先頭!3番手にサトノダイヤモンドも上がってくる!大外からディーマジェスティ!さ〜先頭リオンディーズ!リオンディーズ!」
「デムーロ持たせろ!持たせろってんだイタリア野郎!」渾身の声援を送るマスター。
「外からまとめてディーマジェスティ!連れてマカヒキ上がって来た!ディーマジェスティ!ディーマジェスティ先頭でゴールイン!2着マカヒキ!3着サトノダイヤモンド!」
勝ったディーマジェスティは確かに強かったが、まさかこんな馬鹿げたレース展開になるとは、お釈迦様でも弁天様でも思うまいだ(`_´)ゞ
あのハイペースで飛ばせば、後ろの馬の餌食になるのは◯屋山手幼稚園のキッズでも判る。
もしリオンディーズが勝ってたらそれこそバケモノである。
「それまでのレースを見ていて、後ろからでは前を捕らえきれないと思ったので、前めで運びました。でもペースが速くなってしまった…。それでも頑張ってくれました」とレース後のデムーロJ。
このコメントを見て、マスターの怒りに更に火が付いた。
「馬は頑張ったかも知れないが、オメーは全然頑張ってねえじゃんか!『弥生賞』でも引っ掛かって最後差されてんだ。今回は抑えて、サトノダイヤモンドを目標にスパート。マカヒキを封じ込めるのが理に叶った乗り方よ。これで引っ掛かりグセが完全に付いちまった。距離が延びるダービーでは歩いちまうぜ。何がイタリアの至宝だ!単なるマカロニ野郎よ。アタマ来た!帰る」
「マスター、本当にデムーロJは酷いですね。あれじゃ馬が可哀想ですよ」
あまりの怒りに恐れをなしてご機嫌を取ろうとする競馬友達のK君。
その横でスターウォーズのヨーダとクリソツの◯原さんも大きく頷く。
「マスター飲みに行きましょ」
「飲みにったって、俺はオケラもオケラこの有様よ」
空の財布を逆さに振るマスター。
「元町プラザの吉野家で『吉呑み』でも、僕がご馳走します」
「なぬ!この俺に吉野家に行けってえのか?冗談だろ!そこまで落ちぶれちゃいねえよ。そったらとこ行くぐれえなら、『LIFE』でおつまみセット買って家呑みするっちゅ〜の」
(あんまり変わらないと思うけどね〜笑)
どっかの信用組合の職員じゃないが、デムーロJの理解に苦しむ騎乗にマスター大荒れだ〜((((;゚Д゚)))))))