北新地競馬交友録

思い出の産経大阪杯

年が明けてはや3ヶ月が過ぎた。
テレビでは入れ替わり立ち代り謝罪会見が行われている。
「………お騒がせをして申し訳ございません。ご迷惑、ご心配を掛けた皆様に心よりお詫び申し上げます」
チャンチャラおかしいのである。
マスコミは迷惑どころか、話題を提供してくれてサンキュー!。
一般民は誰も心配なんぞしてないどころか、「ざま〜見ろ!」と溜飲を下げているんだから北原ミレイの『ざんげの値打ちもない』なのだ。
謝るぐらいなら最初からするな!と云いたい所だが、どうにも止まらない時があるのが人間かも知れない。

「最後の直線!エアシャカール!アグネスフライトはその後ろ!アドマイヤボス!アドマイヤボス!オペラオー!ピンチ!後200!オペラオーこっから根性の見せどころだ!大外からなんと!トーホウドリーム!オペラオーは伸びない!トーホウドリーム大金星!」
ニャンと!不世出のサラブレッド。
ティエムオペラオーが負けた( ̄(工) ̄)
2001年4月1日『第45回産経大阪杯』
単勝1.3倍が吹っ飛んで、阪神競馬場の場内が騒然としていた。

2階のゴール前、柱で云えば09の定位置でレースを見ていたマスターも茫然自失。
まさか9番人気、アンカツのトウホウドリームが勝つとは、お釈迦様でも弁天様でも気が付くまい!なのである。
その何とも云えない空気を引き裂く叫び声が席の後ろの通路に響き渡った。
「なんじゃ!こんなレースあっかいや!」
あっかいや!と云ってもな〜と聞き流していたのだが………。

叫び声の直後通路で何やら大きな音が。
スワ!何事かと見たら、20歳をチョイと回ったぐらいのあんちゃんが、置いてあるゴミ箱をびっくり返して、通路に新聞やら、ジュースのカップやらをブチまけて、その真ん中で胡座をかいて座りこんでしまっているのである。
(無茶苦茶だ〜 笑)
当然、警備員がワラワラと駆けつける。

「スンマセン!スンマセン」
事の重大さに気が付いたか、そのあんちゃん、必死で謝り倒しているのだが、周りを鬼のような形相をした警備員に囲まれて進退極まった。
またまたニャンと!ゴミの上に大の字に寝っ転がったもんだから、さ〜大変。
テコでも動かない意思表示に、最後は警備員が両手両足を1人づつ持って持ち上げ、通路の奥にある扉に消えて行く背中に「ようやった!」大向こうから声が掛かる。
それ違うんじゃねえの?と思いつつ、「春になると変なのが増えるからな〜」
横で見ていたおじさんの呟きに大きく頷いたマスター。

皆さ〜ん!謝るぐらいなら最初からやめときましょね(((o(*゚▽゚*)o)))