天皇誕生日の23日に、耳を疑うニュースが入って来た。
自由民主党の議員が、2016年の通常国会の会期中、2月に出産する予定の妻である衆議院議員と一緒に育児に関わりたいと、1カ月間の育児休暇を取得する考えであるという。
この件に関して、世論は賛否両論があると云うが………..間違って議員になった馬鹿だから『ノブレス・オブリージュ』と云う言葉も知らないのであろう。
「え!8月15日に結婚式?終戦記念日やんか。縁起悪いわ〜」
「仕方ねえだろが、仕事があんだよ!仕事がよ〜」
ちょっと出かけてくると家を出たまま、トンズラをかました元奥さんとマスターとの32年前の会話。
昨今はブラック企業云々が取りざたされるが、昔はオールブラックス。
どっかの国のラグビーチームだ。
マスターの会社の同僚の結婚式&新婚旅行は、GWかお盆か正月と相場が決まっていた。
何も仰け反るような零細企業ではない、現在もテレビでガンガンCMを流している有名企業である。
「仕事が第一ではない人間は何の値打ちもない。とっとと転職でもすべし!」
世の中は昨今の言葉で云うと社畜で溢れかえっていた。
そんな時代だったのである。
「あ〜忙し!あ〜忙し!」
たまに吉本新喜劇谷しげるさんのギャグみたいな事を、嬉しそうに云う人がいる。
「およしなさい」と云ってあげたい。
身を粉にして働いて、仕事に打ち込んでいる満足感はあるんだろうが、身体を壊し、精神を病んで、家族に寂しい思いをさせて、自分が解放される時間もナッシングのストレス漬け。
「若い時、一生懸命働いて、歳取ってから楽しんだらいいじゃないですか!」って?
残念ながら歳を取ってからの、お楽しみなどたかがしれている。
カメラ持って温泉巡りか、ヨタヨタしながらのジョギングもどき、はたまた山登りが関の山だ。
国会議員が嫁に付き添って育休を取るのは行き過ぎだが、普通のサラリーマンはドンドン休みを取って実りのある人生を過ごすべし!
50歳を過ぎてつくづくそう思う。
「マスター!ラブリーデイ2枠4番とはいいとこ引きましたね」と競馬友達のK君。
「気の毒にな〜」
「え!何でですか?」
「これでまたまた必死で走らねえといけねえじゃん。8枠ぐれえなら、外そと回らされてダメでしたテヘペロッ(≧∇≦)てなもんだが………。年初め1月4日の『日刊中山金杯』から数えて今年10戦目だぜ。さすがにへたってるはず。お馬さんは機械じゃねえんだ」
「たしかに、暮れの中山は馬場も重いし、タフなレースになりますからね」
「そうよ、云わば究極の消耗戦よ。
俺がラブリーデイなら、馬房であぐらかいてストライキするね。まして屋根がガンガン追うあのお方だろ。
気の毒で気の毒でとても見てられねえよ」
「でも安定感ではピカイチなんじゃないですか?」
「昔のサラリーマンと同んなじよ。
いくら疲れていてもゲートが開いたら頑張っちゃうんだ。哀しいもんよ」
天下のG1馬と、未勝利をやっと勝ち上がったものの、2桁着順続きでお役御免になった自分とを重ね合わすのは、マスターとんでもない不遜ではあるが……..。
どうか無事に走り終えて欲しい!