東の銀座、西の北新地。
日本を代表する繁華街である。
その北新地、女性が接客するお店は星の数ほどあるが、ヒエラルキーの頂点に立つのは、クラブと云われるお店。
お高い店では、座っただけで5万円なんて店もある。
そんなクラブのオーナーママ。
さぞかし美人揃いだと思いきやさにあらず。
あの人がね〜なんて方の方が多い。
オツムがスッカラカンでも、若い時は容姿だけでチヤホヤされるが、クラブのオーナーになれるなんて人はほとんどいない。
Something Elseがなきゃ通用しない世界なのである。
「マスターさん『チャンピオンズC』ではえらい目にあいましたね。今週の『阪神ジュベナイルF』はどうですか?」
「○原さん、どうって、こったらもん当たる訳きゃねえよ。まあ〜云うなら女子高生の駆けっこ。一回や二回上手く走れたって、今回も走れる保証なんてどこにもねえ。第一何考えてるだかちっとも判らねえじゃんか。若いってえのは素晴らしいの代名詞かも知んねえけど、愚かの代名詞でもあんだよ」
「じゃあ、マスターけんですか?」
「K君、あわてんじゃねえよ。一頭ひょっとしたらと思わせる馬がいるデンコウアンジュよ」
「え!メイショウサムソン産駒ですよ。前走は強かったけど、出遅れてましたし。差しなんで枠はそんなに気になりませんが、メイショウサムソンじゃあね〜。種付け料にしてからが、同じレースを走る、ディープインパクトや、ステイゴールド、ダイワメジャーの何十分の一。ディープインパクトなら消費税にも足らない金額ですよ」
「まあな。普通なら買わねえけど、この馬は何か持ってるような気がすんだよ。惨敗かも知んねえが、賭けてみてえ気にさせるんだ。折り紙つきの血統で、私いい女でしょ〜!なんて馬鹿のくせにお高くとまってるなんてウンザリよ」とマスター。
もっとも大きなお金は賭けれないと、可愛く勝負するらしい。
北新地のママ達じゃないがSomething Elseを持っているかどうか。
楽しみなレースではある。
川田J!エスコート宜しくお願い申し上げまス!