北新地競馬交友録

焦眉の急

非常に危険が迫った状態を表す言葉が『焦眉の急』
眉毛が焼けるぐらい火が間近に迫っていると云う意味である。
この『焦眉の急』に見舞われたのが、マスター、競馬友達K君、熊本天草出身◯原さんのファンド『雄太貯金』
一時は5万円が17万円まで増えて、「年内100万を目指すか!」なんて大ものを垂れていたマスターだったが、気が付けば5万円に逆戻り。

それも、これも馬券を買う馬の選択に失敗しているから。
中谷Jは数少ない乗鞍で毎週、馬券に絡んでいるのだが、何故かその馬は買わず、他の馬を買ってチーン。
「日本で一番の雄太マニアは俺よ!」なんて言葉を信じる者はもう誰もいない。
『雄太貯金』崩壊の危機はすぐそこにまで迫っている。

「マスターさん、今週の中谷Jはどうですか?」
「うん。原点の5万になっちまったから、甘ちょろい馬券は買ってられねえ。考えに考えた結論は月曜日のキタイチサクラよ」
「土曜日の新馬モズジョイがいいんじゃないですか?」
「なかなか調教も動いてるし期待はモリモリだが、初めてのレースだろ、何が起こるか判りゃしねえよ。
マニーがザクザクありゃ喜んで買うけどな」
「………………」

土曜日のモズジョイは3着。
まだ馬が若いのかフラフラしていたが、末がしっかりしてるのは判った。
次走は確勝クラスなのは間違いない。
それはいいのだが、日曜日にとんでもない事が起った。
「ナンボ、ナンデモ無理じゃねえの。8着以内で賞金を稼げりゃ良しとしなくっちゃ」と、マスターが歯牙にも掛けなかったボールドジャパンが激走。

「え!?何だ?雄太じゃねえか」
「内からボールドジャパン!ウインソワレを交わして抜けた〜。ダイワプロパーは2着まで!」
ムーアJ、ボウマンJ、そしてイタリアの至宝デムーロJを抑えての勝利。
内、一頭分あるかなしかの狭いスペース何するものぞ!
マスター、思わずチキン肌が出たそうな。

18頭立ての10番人気。
単勝が2850円と仰け反りの配当だ。
「何だ!その目は!買えるか?前走、前々走と二桁着順だぜ。こりゃ〜普通買えねえよ」
冷たい視線のK君、◯原さんに必死で云い訳しているとは、みっともないったらありゃしない。
「勝負は月曜日のキタイチサクラよ。前に行く馬をキッチリ交わして、ハイ!御苦労さんてなもんよ。まあ〜見てなって!」
「………………….」

「テンのスピードがイマイチなんで、本当は芝スタートよりダートスタートの方がいいんだが、この相手なら何とかなるだろう。末の脚ならピカイチよ。相手は恐らく前へ行くルメールのリルージュ、健ちゃんのヒロブレイブ、学のニホンピロボーラー。ディアマンテベルテも怖いが、芝であれだけ先行力がある馬は、得てしてダートでは馬力不足。今回は遠慮して貰う」

キタイチサクラ1頭軸3連複。
相手はリルージュ、ヒロブレイブ、ニホンピロボーラー3頭の5千円3点張りだ。
レース前には、もう取った気でいたマスターだったが…….。
「伸びろ!こんにゃろう!伸びろってんだ!」
スタートで安目を打って後方を追走。
マスター必死の声援も虚しく最後気合いで追い込み、5着を確保するのが精一杯とは泣けてくる。

『雄太貯金』残高3万と5千円。
眉毛どころか、お尻にも火が付いたマスター。
こりゃ!大変だ〜!

皆様、お付き合いありがとうございました。
今週は『ジャパンカップ』ですね。
日本勢のメンバーがイマイチですが…….。
土曜日にまた予想をUPさせていただきますね!
宜しくお願い申し上げます。