北新地競馬交友録

雄太貯金の行方

「人が行動する場合、判断の多くの部分を占めるのは好き嫌い」とはよく云われる事である。
それは人であったり、物であったり、マスターがお世話になっている西宮の大社長なら『阪神タイガース』であったりする(笑)
ここ数年、ともすれば軽く扱われ気味の障害レース。
マスターが大好きな騎手がいた。
現在調教師の星野忍さん。

「よ!忍!日本一」
1996年だからおおよそ20年前。
阪神競馬場ウィナーズサークルでマスターの声が響き渡った。
61キロの酷量を背負うも4番人気で、熊沢Jのシャンパンファイトを抑えて『阪神障害S』をぶっこ抜いたのがポレール。
その鞍上が障害にこの人ありと云われた星野忍Jだ。

当時は今ほどネットも発達していづ、関東のジョッキーには馴染みが薄かった時代。
まして、障害がメインフィールドの星野忍Jの認知度はかなり低かった。
ウィナーズサークルに集まったファンも泣けてくるぐらいの少なさだ。
「よ!忍!日本一!」の掛け声に、ニャンと!モジモジしなが近寄って来て握手してくれたもんだから、マスターの感激たるや…….。

「忍さんは最高よ!東北のおのこは昔から純情一途てなもんだぜ。福島の2Rその星野厩舎のキングハートに雄太が乗るんだ。これを買わなきゃダチカンゾ!『雄太貯金』エネルギー充填120%発射!うちゅ〜う戦艦ヤ〜マ〜ト」
「マスターさん、お言葉なんですが、アイホンでググってみたら星野調教師、出身が東京なんですが」
「え!マジカル!Σ(゚д゚lll)」
「ウルトラマジカルです」
「だ!騙された〜」
(マスターが勝手に東北出身と思い込んでいただけだけどね 笑)

単勝5000円、複勝10000円。
「え〜い!オマケだ俺も自前で単複5000円の応援馬券といてこます!」
マスター矢鱈滅多ら気合いが入っている。
「4コーナーを回って直線を向いた!
逃げるファインキャプテンの外からキングハートが交わしにかかる」
「おっしゃ!デケタ!雄太!雄太!雄太〜」
「タイセイエクレールが外から伸びて来るが、先頭はキングハート!キングハートだ」

単勝470円、複勝190円。
払い戻しが『雄太貯金』と自前を併せて75500円。
「どうでえ!どうでえ!これが競馬よ。参ったか!」
「恐れ入りました」
「○原さんよ〜、それも云うなら恐れ入谷の鬼子母神てんだ。エッヘン!」
マスター、後ろに倒れるぐらいそっくり返って威張りんちょ。

「雄太貯金』は15000円張って42500円の払い戻し戻しで、原資が127500円と相成った。
「今日の雄太の乗鞍で馬券になるのは、このキングハートと最終のフォルシャーよ。だけんじょ、どうにもこの馬は成績が安定しない。前走雄太が11番人気で2着に突っ込んだが、その前が15頭立ての13着だろ。どうだかな〜?1000万でも好走出来る力はあるのに、500万でも大負けするなんて、オヤジのスティゴールドの難しい部分を受け継いじゃってるのかもな」

「マスターさん、じゃあケンですか?」
「馬鹿たれが!この馬鹿たれが!複勝7千5百円と行こうじゃねえの」
「○原!イエッサー!」
結果は…………厳しかった(~_~;)
『雄太貯金』の残高は現在120000円。
「今週はこれぐらいで勘弁してやっか。来週これぞと云う馬が出て来りゃ、仰け反るぐれえの勝負掛けたる!」
『レセプト債』は破綻したが、『雄太貯金』は破綻させられないとマスターねじり鉢巻だ。
中谷J!来週も宜しくお願い致しまス!

皆様、お付き合いありがとうございました。
明日はマスター推奨、『GⅢみやこS』岩田J騎乗ローマンレジェンドのお話しです。
宜しくお願い致します。