北新地競馬交友録

麗しき国の麗しき競馬 その2

この世中で起こる事には、全て流れがある。
それを人に置き換えると運気。
運気の悪い時は何をしても上手く行かない、反対に運気が上がっている時は、思わぬ幸運に恵まれると固く信じているマスター。
土曜日に落とした財布が日曜日に帰って来て、「こりゃ〜完全に上げ潮よ。月曜日は勝負するしかあんめいが」
旅先で、競馬友達K君と夕方にメールで作戦会議。

「阪神1Rセレッソブリマベラはこのメンバーなら力が一枚も二枚も上だ。単勝1.5倍付きゃ上等だろう。相手も雄太のキタイチサクラで決まる。バット!馬単を買うのは得策じゃないし、競馬の事だから馬連一点は怖いが、ワイドならこの2頭でほぼ鉄板よ。K君何倍付く?」
「2倍前後になるんじゃないですか?」
「よし!それで行こう。本来なら財布を拾っていただいた方へのお礼を2万はするのが当たり前だが、ご本人がいらないと云うんだから……当初の2万に2万足して、ワイド一点4万張り付ける」
「了解です」

「キタイチサクラ先頭だ!外からセレッソブリマベラが並び掛ける。この2頭のマッチレース!交わした〜セレッソブリマベラ〜」
沖縄のダイビングボートの上で、実況中継を携帯で聞いていたマスター。
抜けるような青空に!右手を高々と突き上げた。
「どんなもんだい。この2頭なのは江戸時代から決まってんだ。4万なんて中途半端な事すんじゃなかった。最低5万は……..情けねえ〜俺は臆病者よ」

マスター曰く正しい競馬とは、自分が強いと思っている馬が、不利なくレースをして勝つ事なんだとか。
やれ10番人気だ、ブービー人気だなんて馬が来るレースは間違っているそうな。
阪神1Rセレッソブリマベラは強かった。
中谷Jも最後の最後まで勝ちにこだわり踏ん張った。
まさにこれこそ正しい競馬で、麗しいレースなんだと。
9ー10番ワイドで190円ついて、4万円が7万6千円に*\(^o^)/*

「ドンピシャですね。マスター馬連でも良かったのでは?」
「レースの後なら何とでも云えるんだよ。競馬を舐めたらダチカンゾ!」
「はい、はい。で次はどのレースを?」
「そったらもん決まってるだろうが、トウケイアローがデムちゃんを鞍上に迎えての阪神9Rよ。このレースは豊大明神のマキシムドパリ、いつの間にかベテランになってる竜二のエイシンハドソン3頭立てのレースよ」

「福永Jのフローレスダンサーは?」
「出番がねえだろな。今から海に潜る。また、上がって来たらメールすっから。今日の俺は間違いなく運気上昇中よ」
「…………..◯原さんが乗るそうですよ」
「おう!乗れ乗れ!」
「じゃあ、馬券の種類の連絡をください」
「任っかせなさ〜い」

世俗のしがらみを捨て海と一体になり楽しむダイビングの途中でも、欲の皮がクロッコダイルより固くて厚いマスター。
こんな人間はそうそういないと思う。
まさに麗しき国に生息する珍獣なのであるΣ(゚д゚lll)

お話しの続きは明日です。
皆様、お付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。