『青菜に塩』
青菜に塩を振り掛けると萎れてしまうことから、人が、元気を失って萎れたようになっていることを表わす諺である。
この土曜日マスターがその諺を地で行った。
「ニシケンモノノフはここが勝負よ。天敵のコーリンベリーはいないし、舞台は相性がいい阪神で距離ベストの1400だ。敵はG1フェブラリーにも出たレッドアルビスただ一頭。
何がなんでも雄太に将雅を差して勝って貰わなきゃダチカンゾ!」
その気合いの入りようたるや半端ない。
土曜日は仕事があるからと、久々に梅田ウインズに突撃したんだが、モニターのオッズを見て、苦虫を噛み潰したような顔になった。
ニシケンモノノフの単複でと思っていたのに、複勝が仰け反りの1.1〜1.5流石にこれは買えないと思案橋ブルースのマスター。
神戸元町ウインズなら、「競馬ファンの皆さんはよくご存知だ。ニシケンモノノフが3着を外す事なんてあり得ないとの見たてよ!」と競馬友達K君や、熊本天草出身68歳○原さんに講釈を垂れるんだが、周りに知り合いはゼロ。
ただ「う〜ん、う〜ん」と唸ってるだけ。
その時携帯が鳴った。
「マスター!梅田ウインズはどうですか?」K君からの電話。
「どうもこうもねえよ。知り合いがいないから勝負に集中出来るのはいいが……..寂しいもんよ」
「そうですか。馬券はどのように?」
「単勝は3倍は付きそうだからいいんだが、複勝が1.1〜1.5とは泣けてくるぜ。保険の賭けようがねえ」
「レッドアルビスとニシケンモノノフの一騎打ちと思ってるんでしょ?」
「アタリキ車力、ブリキのオモチャよ。それしかあんめ〜が」
「でしたら保険はワイドでいいんじゃないですか?1.9〜2.3付きますよ」
「そりゃ名案だ!さすがAKB48と競馬には詳しいな。それで行こう」
「AKBは余計です 笑」
単勝を塗り塗り。
ワイドも塗り塗り。
おまじないの単複頑張れ馬券も、ミニマムベットで塗り塗り。
モニター斜め45度の位置に仁王立ちのマスター。
「梅田の奴らが腰抜かすぐれえの大声で叫んでやる。ビックリすんな。こちとら神戸元町ウインズ代表よ!」
なんて馬鹿な事を考えていたんだが….。
続きはまた明日でございます。
お付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。