北新地競馬交友録

『宝塚記念』と『納税義務』

大阪北新地のBAR『Palms』に激震が走った。
「消費税が…….、事業税が……..、源泉税が…….締めて………納付期限は6月30日です」
「ギョ!ギョギョギョ」
さかな君も仰け反るぐらいの、オーバーアクションで驚くマスター。
「税理士さま〜マジですか?」
「マジですよ」
ニャンと!税金が御一行様で来てしまった。
納税は国民の義務。
これを怠れば、国外追放になるのは承知の助だが…….。

それを遡る事3日前。
「マスター、宝塚はどうしますか?」
「そったらもん、ゴールドシップでどうしようもねえだろ。格が違い過ぎて話しになんねえよ。まあ〜食い下がれるのはラキシスぐれえじゃねえの。この2頭のワイドならほぼほぼ間違いない」と競馬友達のK君に宣言。
そのつもりでいたんだが、ワイド予想オッズが3.1〜3.4。
これじゃ〜、それこそドカン!と張り付けなきゃどうにもならない。
税金が重くマスターにのしかかる。

金曜日の夜に、日曜日の神戸元町ウインズでの待ち合わせ時間を聞いてきたK君。
「おう!いいとこに連絡を貰ったぜ。諭吉ドン一個連隊とは云わねえ一個小隊貸しちゃりない」
故菅原文太兄いの真似をして、携帯で凄むマスター。
「え!そんなの無理ですよ」
「もう直ぐボーナスが出るんだろ。君のとこ空前の好決算だってYahooニュースに出てたぜ。馬券を買うんじゃねえんだ。税金だ、税金。お国のお役に立おって話しよ」
「………………..」ガチャ。

「一個連隊は無理ですが、一個小隊でしたら是非!使ってください」なんて、赤の他人に云う人間がいる訳はない。
マスターのあわよくば諭吉ドンを引っ張って、馬券でいてこましたろうとの目論見は甘過ぎる。
イチゴの王様『博多あまおう』より甘すぎる。
「世の中舐めたらいかんぜよ!」故夏目雅子ちゃんもそう云っている。
原資が限られているマスター。
これでゴールドシップとラキシスのワイドは買えなくなった。

3連単、ラキシス、ゴールドシップを1着、2着にリバース。
3着にヌーヴォレコルト、ラブリーディ、ディアデイラマドレ、カレンミロティック、デニムアンドルビー、ショウナンパンドラ、ネオブラックダイヤ7頭の計14点。
さすがにゴールドシップを丸々消す勇気はないようで………。
ラキシス頭、ゴールドシップ2着、3着に人気薄期待のみっともない買い方だ。

馬券が外れたら、「北税務署で腹をかっさばいて日本国民としてケジメを付ける!」なんて出来もしない事を云っているマスター。
フランスの至宝ルメールJ、マスターを助けてやってください。
頼みまス!