北新地競馬交友録

『函館スプリントS』と『居酒屋兆治』

日本の宝、今は亡き高倉健さんが、函館を舞台に不器用な男を演じたシネマ『居酒屋兆治』
高校時代は野球部のエース。
造船所に就職するも、首切りの仕事に嫌気が差して退職。
函館の片隅で、小さな居酒屋『兆治』を営んでいる。
その『兆治』に集う面々の、人間模様が、昭和の香りを放ちながら見事に交錯する。

伊丹十三、大滝修治、小松政夫、小林稔侍、武田鉄矢、田中邦衛、石野真子、平田満、左とん平、ちあきなおみ、細野晴臣、佐藤慶……….。
既に鬼籍に入られた方もおいでだがそうそうたるキャスティング。
ヒロインには、これまた日本の宝。
「少し愛して。長〜く愛して」の大原麗子ちゃん
健さんの嫁には、ニャンと!『百万本のバラ』の加藤登紀子さんだ。

物語の軸を成すのは、健さんと、麗子ちゃんの悲恋。
幼馴染で、好き同士だったが、お互い結婚したのは………。
麗子ちゃんが美しい。
掛け値なしの美人である。
つい先日、AKBの柏木某が、温泉でジャリタレと云々なんてニュースが流れたが、物が違う。
競馬で云えば、500万とオープンぐらいの差がある。

健さんと麗子ちゃんの心ねを知りながらも、寡黙に耐える奥さんに加藤登紀子さん。
この方の抑えた演技が、これまた素晴らしい。
好対照な女性2人が見事に輝いたシネマである。
因みに、改装前の函館競馬場でのシーンもある。
ジャンパーにキャップが似合う!似合う。
よ!健さん!日本一!

『函館スプリントS』

いよいよ函館競馬の開幕だ。
『函館スプリントS』には、シネマ居酒屋兆治も仰け反るぐらい、多士済々のメンバーが揃った。
下は3歳牝馬のクールホタルビから、上は8歳牡馬マジンプロスパーまで。
だけんじょ、ここは牝馬2頭に注目。
ロープティサージュとアンバルブライベンだ。

前でレースを運ぶアンバルブライベン。
追い込みのロープティサージュ。
好対照の2頭。
まるで、大原麗子ちゃんと、加藤登紀子さんみたいだ。
「う〜ん!悩む、悩みまっスル」と唸るマスター。
が、がである。

ジョッキーを見て、ハタ!と手を打ったマスター。
「な〜んだ。悩む事なんて何もねえじゃん。アンバルブライベンのジョッキーが高倉健。いや元へ田中健じゃねえか」
マスター!そんな事で決めていいのか?なんてお叱りを受けそうだがいいんだと。
同じ健でも大違いなんて事がない事を祈る。
枠も良し!田中Jケレン味のないレース頼みまス。