「ヨッシャー!」とシャウトしたのは、マスターの競馬友達K君。
モテない歴40年で、バリバリオープンクラスのオタッキーだ。
趣味は競馬と鉄道とAKB。
シャウトしたのが『安田記念』なら立派なもんだが、土曜日に行われた『AKB総選挙』だって云うから、情けないやら、恥ずかしいやら。
何のために大学まで行かせたんだと、親が泣いているのは間違いない。
そのK君の愛してやまない横山由依ちゃんが、中間発表ではニャンと!20位。
16位以内に入らないと、選抜メンバーから外される崖っぷちでの10位確定だ。
「負けられない戦いです!」なんて、どっかで聞いたようなセリフを吐いていたK君、思わずテレビに向かってシャウトしちゃったらしい。
それは、全く持ってどうでもいい話しだが……..。
「だめだ諦めろ」神戸元町ウインズで、スタートして暫くすると、マスターが力なくK君に呟いた。
自称、マスター!スグルちゃん!の仲の浜中Jが、ミッキーアイルをなんとか宥めようと必死のパッチ。
しかし折り合いがなかなか付かない。
ウサインボルトもビックリするぐらい好スタートを切ったのが仇になったし、オマケに『安田記念』では、あり得ないぐらいのスローペースで万事休す。
レースを半見しながら、予想紙を斜めがけにしたカバンに仕舞い出すマスター。
「まだレース終わってませんよ!」
「何十年競馬やってると思ってんだ。こちとら30年選手よ。500万や1000万クラスならともかくG1だぜ。これでミッキーアイルが来たら化け物よ」
結果は大惨敗に終わった。
マスターのミッキーアイル一頭軸マルチ、相手7頭、3連単126点張りの馬券は、鼻もかめない紙切れに。
「浜中Jも行ってしまえば良かったのに」
「ば!馬鹿野郎!厩舎一丸となっての脚質転換を図って臨んだ安田記念。確かに1400の阪急杯から1200の高松宮を使って安田記念のローテーションは、ちと寒いとは思ったが、あそこでぶっ放しちまえば、この半年なにやってたんだって事にならあね。音無調教師も、坂路でビシバシやりたいのを、グッと堪えてコースで折り合い中心の調教を繰り返して来たんだ。5千円や1万やられたぐらいでガタガタ云うな!一番傷ついているのはスグルちゃんと関係者よ………」
K君、完全に地雷を踏んでしまった(≧∇≦)
「マスターすいません気分を悪くさせて。お詫びに吉牛のちょい呑みでもご馳走させてください」
「君は俺を馬鹿にしてんのか。吉牛?チョイ呑み?そんなのは、そこいらのサラリーマンに任せときゃいいんだ。焼肉なら詫びを聞かんでもないけどよ」
「え!僕もやられてんですよ」
「あ〜あやだね。毎月25日になったらお給金が入ってくる身分のくせにケチ臭い事云いやがって。君の詫びは安く付くよな。別に謝って貰わなくても、結構!毛だらけ!猫灰だけだ」
「…………….岩崎塾で良ければ……….」
来週はこの2人にいい風が吹く事を祈る!