「なんだ!あの馬ズルいじゃねえか!」
北新地の※お父さんがご立腹だ。
「競馬は騎手。岩田が乗るアドマイヤデウスだろ」
「ごもっともです」
「4歳馬が活躍するのが春天。サウンズオブアースで決まり」
「慧眼でございますね」
BARなんて稼業は、お客様に脚をお運びいただいてナンボ。
『Palms』を手伝ってくれている女子大生6人組にも、口をすっぱくして「でも、だって、ありえな〜いは禁句だ」と教えこんでいる。
「マスター、Blog読みましたよ。ダメですよキズナなんて書いちゃ〜。距離が長いし、調教も前回の『産経大阪杯』に比べたら……………」
「ゴチャゴチャ能書きタレてんじゃねえよ。そんなこたァ百も承知の助よ。誰が乗ると思ってんだ。先々は紫綬褒賞間違いなしの豊大明神だぜ。最後はギズナを担いでもアタマに来る」
「また始まった。マスターの武豊教が…………」
「大きなお世話だっちゅ〜の 怒」
10年来の競馬友達K君。
酒が飲めないとかで、『Palms』に一度も来た事がないくせに、毎週日曜日の午前中には連絡がある。
大切なマニーを遣っていただく方には「へへ〜」てなもんだが、K君とは完全に5寸。
いや相手をしてやってるから※お父さんの方が上だ。
ゲート前で1枠1番ゴールドシップがイヤイヤ。
てんで入ろうとしないんだから、ゲートの中で待たされている奇数番は、たまったもんじゃない。
レポーターの細江純子さん「どの馬も落ち着いてます。まるで動じてませんね」なんて云ってたが、ヘイ!ユー!馬の気持ちが判んのか。
あ〜ん!
武蔵と小次郎じゃあるまいに。
マジ!ゴールドシップ、ズルいぞ!
その証拠に賞金が出る8着までに来たのは奇数番では、キズナと無欲のネオブラックダイヤのみ。
先に入ったお馬さん達は、「あ、今日はゲートの練習かな?」と思ってたんじゃねえの。
傷心の※お父さんは暫し旅にでる。
センチメンタルジャーニーだ(≧∇≦)
皆様、次回は木曜日にお会いしましょう。
『口取り物語』がスタートします。
お楽しみにしてくださいませね。
※北新地のホステスさん達から『お父さん』と呼ばれています。
筆者は大阪北新地で、馬主、競馬関係者、マスコミ、ファンが集うBAR『Palms』を女子大生スタッフと営んでおります。