パレスチナの武装組織ハマスがイスラエルに対し、かつてない規模の攻撃に出た。
ミサイル5千発をぶち撒けて、戦闘員らはガザ地区に近いイスラエルのコミュニティーや、開催されていたコンサートに乱入。
住民数百人を殺害し、数十人を人質に取っている。
奇襲作戦が成功して、イスラエルが蹂躙された格好である。
世界最強のインテリジェンスと云われているモサドが、何故、今回の奇襲を事前に察知出来なかったかは、最大の謎だ。
そんな中、イスラエルを支援するのは当然アメリカで、空母を地中海に派遣。
世界最強の軍隊が本気を出せば、ガザなど瓦礫の山となるのは間違いないが、どうにも時期が悪い。
ウクライナVSロシアの紛争が泥沼の状態に突入。
「もうこれ以上マネーを出すのは勘弁願いたい」とアメリカの議会では、ウクライナ支援に疑問が呈される程の援助を行なって来た。
そこへ持って来てハマスのテロが勃発。
ナポレオン、ヒットラー、そして我がニホリカ。
調子こいて最後はメタメタにやられて手を上げる羽目になるのが二正面作戦。
とは云うものの、ウクライナとイスラエルではアメリカにとっての重みが違う。
ユダヤ人が国内で大きな力を持つアメリカは、今回の事態を放置する事など出来ようもない。
「ウクライナに肩入れしてる場合か!」の声が上がるのは間違いない。
ロシアのプーチンが高笑い、ゼレンスキーが震え、習近平がこっそり笑いを噛み殺している。
アメリカの二正面作戦の行方やいかに。
「禎仁ケッパレ!」海から帰って来た北新地の盆暗が、那覇のホテルのテレビに向かって吠えたのは祭日の月曜日京都12R。
長岡Jレディフォースの外に馬体を合わせて、51キロ今村Jのスマートアイが必勝体制だ。
通常馬体が合った場合外の馬の方が有利、しかも斤量が3キロ重いのだから、レディフォースは分が悪い。
バット!長岡Jの渾身の追いに応えて凌ぎ切った。
抜かせなかったのは地力の差だ。
万歳三唱かと思いきや、配当を見て苦い顔の那覇午後4時過ぎ。
ニャンと10000円買った4ー8の枠連が仰反りの560円。
トータル50000円買って僅か6000円の儲けとは。
「チェ!大騒ぎして損したぜ。99%レディフォースが勝つと思っていたのに、マニーがねえが故の損保ジャパ○。縦目を押さえるなんざ〜完全にヤキが回ってらあね。あ〜あ、嫌んなっちまった」
己の臆病さにうんざりと北新地の盆暗。
これが月曜日の話しである。
「マスターおはようございます。沖縄楽しかったですか?馬券も当たって何よりです」は堂々プライム企業勤務、競馬友達のK君。
「まあな、しかしなんで俺の当たり馬券は安いんだ。参ったぜ」
「そりゃ〜人気を買ってるからでしょ」なんて云おうもんなら、どんな厄災が降りかかるか判らないと口にチャックのK君。
「まあ、まあ。今日は『秋華賞』。マスターがお世話になっている馬主さんの愛馬は2番人気ですか」
「あいつさえいなけりゃな〜。産まれ年が悪いって事か」
「馬券はどのように?」
「発表!新潟10R『菅名岳特別』」
「冗談でしょ!」
「マジ、マジ、マジ、マジ、マジマンジ〜。真一郎ラクスフロンティアと友ヴィンテージボンド。前々のこの二頭に気がある。3連複二頭軸、相手全部の11点張り一目3千!『秋華賞』ハーパーとリバティーアイランドのワイドに1万と5千。ハーパーの単勝に2千でいてこまそう」
「二面作戦ですか」
「ああ、『秋華賞』は観るだけでいいんだけど叫び賃だ」
どう考えてもアメリカの二正面作戦は茨の道だが、馬主さんのお供で、久々に京都競馬に出張る北新地の盆暗は……………。