「下がるな!下がる者は射殺する!」
何の話しかと云えば、ロシア名物督戦隊。
督戦隊とは、自軍を後方より監視し、兵士が、命令無しに勝手に戦闘から退却、或いは降伏する様な行動を採れば攻撃を加え、強制的に戦闘を続行させる任務を持っている。
先の不幸な大戦のドイツ戦では大活躍。
「同じ死ぬなら突撃だ」と多くのロシア兵をあの世に連れ去った。
かくほど左様に人の命を軽視するのがロシアの伝統。
あの『スターリングラード攻防戦』では約120万人が戦死。
(因みに我がニホリカは大戦を通して230万人)
一つの都市の攻防で120万人が旅立ったと云うのだから、いかに凄い人数かが伺える。
街は瓦礫の山と化し、開戦前に60万を数えた住民が、終結時点でおよそ9800名にまで激減したと云う。
それでも放棄する事を許さなかったのだから、えげつない国である。
そのロシアが1週間で終わると考えていたウクライナ侵略が500日を過ぎてもまだ終わらないどころか、反撃を喰らっている。
一方的に併合したクリミア半島南西部セバストポリに対して、ウクライナ軍がミサイル攻撃。
黒海艦隊司令部の建物が損傷したうえ、兵士1人が行方不明。
こららは青天の霹靂だが、東部戦線では防衛網を突破されたとの情報も流れている。
もし、督戦隊の出番となっているようなら悲劇である。
「あ〜ニホリカに生まれて良かった。ロシアに生まれていたら、大変な事になっていた」と喜んでいたら……….。
「若い世代が将来不安なく、安心して子どもを持つには全世代型の社会保障改革しかない。それには消費税などの増税から逃げてはいけない」とロシアの督戦隊のような言葉を発したのは、経団連会長の十倉某。
一説によれば、資本金100億以上の企業では、第二次安倍内閣以後の企業減税により3兆8000億円をゲットのウハウハ状態。
特に輸出企業は消費税還付で、ゲップが出るほど内部留保を積んでいる。
お〜い!十倉某!爺さんだから忘れてるだろうが、消費税が5%から8%、8%から10%に上がった時に景気がどうなったか、エンペツ舐めて本でも読みやがれ。
逃げて当然!消費税はあんたらの懐を暖める打出の小槌じゃないんだ!
「ヨッシャー!デケタ!どれでもいい」北新地の盆暗が沖縄のダイビングボートの上で右手を上げた。
「はい、お疲れちゃん。やっぱ7キロは大きいぜ」と胸を逸らせたのだが配当を見て愕然。
枠の3ー8が僅か270円。
67500円の払い戻しで、50000円購入だから17500円の儲けしかない。
方や馬連は1050円。
3頭しかいらないと思っているのなら、枠連なんぞ買わず、素直に馬連ボックスを買っていたら150000円には楽勝でなっていたはずだ。
「こ、こんな事って……..」絶句して沖縄のていだカンカンの空に移ろな視線を泳がせた。
夜は、某大学職員で、長澤まさみを2.3発殴ったようなフェイス。
愛しのハルカちゃんと、那覇安里の隠れ家ビストロでミートパイをほうばるも、心ここにあらずだったのが先週の月曜日の話しである。
「マスターさん、おはようございます。先週は驚きましたね」は、熊本天草出身○原さん。
「何が驚きましたね〜だ。馬鹿野郎。『マスター枠連のオッズどんどん下がって来てますよ。馬連に変えた方がいいんじゃないですか?』とかねえの?あったら当然馬連ボックスを買ってるよ。3頭の世界、タケゾウのカフェカルマもビシッと見切ってんだ。あ〜あ、何やってんだ俺!」
「まあ、まあ、いいじゃないですか。沖縄行って自然に触れて、ハルカちゃんにも触れて」
「とんでもねえ事云う野郎だな。ハルカちゃんとはプラトニックラブで、指一本触れてねえよ。てめーみたいな色狂いと一緒にするんじゃねえ」
「失礼しました」
日曜日の朝恒例の馬鹿話しなのである。
「それはさて置き、いよいよ秋競馬も本格化ですね。阪神は『神戸新聞杯』、中山は『オールカマー』どちらもいいメンバーが揃って目移りします」
「まあな、『神戸新聞杯』は、『日本ダービー』で不利に泣いた将雅サトノグランツ、『日本ダービー』3着は伊達じゃない若武者弘平のハーツコンチェルト、上り馬3連勝中和田竜のナイトインロンドンの3頭。『オールカマー』は、まともなら和夫のタイトルホルダーで何もねえが、この馬には前走えらい目に遭わされた。とてもじゃねえが軸に出来まいが。鞍上強化、大成のジェラルディーナ、函館から凱旋ルメールのローシャムパーク辺りも虎視眈々だろう」
「さすがマスターさん、研究してますね。どっち買いますか?」
「発表!阪神8R」
「え?何ですかそれ!」
「何ですかじゃねえよ。阪神8Rダート1800じゃん。3連複フォーメーション、1列目、2列目、3列目に内から若武者弘平バリアントバイオ、克駿モズタンジロウ、貫太サンライズパスカル、3列目にプラス2.4.6.11.12の16点張り一目3千。中途半端はやめて貫太のサンライズパスカルの単勝を2千。締めて5万でご機嫌伺いだ。若武者弘平のバリアントバイオがズンナイ人気の1.9倍。流石に病み上がりで最内枠、このオッズは売れすぎじゃねえかと思うが。怖いのは豊のブライトホルンでも、あれも怖い、これも怖いじゃ馬券にならねえから58キロを嫌って押さえまで」と結論付けた。
経団連の十倉某がいくら消費増税から逃げるなとラッパを吹いても、与太を飛ばすのはいい加減にしろと、まともに取り合う国民はいない。
同様に懐に道楽している余裕はないと、両メインからスタコラサッサで逃げだした北新地の盆暗だが…………さて。