北新地競馬交友録

カオス

欧米人から我がニホリカ人が投げつけられた侮蔑の言葉はいくつかあるが、その中で最もインパクトがあったのが、『エコノミックアニマル』。
元々はパキスタンの外相が会議で、ずば抜けた経済活動への驚嘆の意味で発した言葉であったが、ニホリカに押されていた欧米は、「金の為なら何でもありの動物みたいな人種だ。」と揶揄した訳である。

そんな中、米国のエズラ・ボーゲル博士が1979年に『ジャパン・アズ・ナンバー・ワン』を出版し、70万部を超える大ベストセラーとなった。
日本の高度経済成長の要因を分析した本だが、博士は日本人の学習意欲や読書量の多さ。
勤勉さ、治安の良さ、階級による明確な区別がない点も上げている。
欧米人に馬鹿にされ意気消沈していたニホリカ人が、大いに溜飲を下げたのは云うまでもない。

それ以後、バブル崩壊を受けて経済は停滞。
平成という時代はひたすら日本経済が坂道を転がり落ちた。
そんな中、御代は令和に代わり、再び世界で一番を獲得したのが、新型コロナウイルス騒動。
マスク着用率世界一位、魔法の水接種率世界一位クラスにも関わらず、週間新規陽性者数世界一位、死亡者数世界二位。
何とも不名誉ではあるが、『ジャパン・アズ・ナンバー・ワン』の復活である。

この騒動で判った事はただ一つ。
己の利益や欲望のためなら、国民が苦しもうが知った事じゃない。
専門家と称する人間も、政府もやりたい放題だと云う事である。
いつまで経っても収束が見えない騒動中、更に、ふって沸いたように出て来たのが増税論議。
国を守りたいなら、少子化が心配なら、もっと年貢を出せと云う訳である。

どさくさ紛れ、火事場泥棒。
我がニホリカはカオスの渦に巻き込まれている。
道理も理屈もあったもんじゃない。
ポジショントーク上等!で我が身は我が身で守るしかない2023年の年明けなのである。

「マスターさん、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。」は熊本天草出身○原さん。
「はい、はい。おめでとうさん。まあ、正月たって何もいい事はねえがな。しかも、『京都金杯』にゃ〜頭に来たぜ。枠の1.3.4のロータリー馬券で鉄板だと思ってたのに、短い草鞋を履いての移動中で、買いそびれた。3ー4で1660円も付いてやがんの。へ!買わねえ馬券は良く当たるを地で行くような話しだっちゅ〜の。」と朝からボヤキに余念がない北新地の盆暗。

「まあ、いいじゃないですか。一年は長いんですから。」
「お宅も俺も、世間の何の役にも立ってねえのに、閻魔様からお呼びがまだ掛からねえよな。ボンビーはしぶといって事か。それはそうと、今日のメイン『シンザン記念』は小頭数で面白くねえし、『ボルックスステークス』は勝ってもおかしくない馬がえっといる。まともなら京都馬主協会会員さんの愛馬ケンシンコウだが、ゲートに難があるのと、とにかく気分屋だからな〜。悩ましいったらありゃしない。」

「枠ボックスですか?」
「正月早々、そこまでみったくねえ事は出来ねえだろう。馬連のロータリーで行こう。内から、皇成のウィリアムバローズ、もちろん裕信のケンシンコウ、祐次のアシャカブト、吉田豊のキタノヴィジョン、小崎の小倅のニューモーメント、武史のルコセールまで。6頭ボックスで一目2千の15点張り。してからこの6頭の3連複を一目1千20点であわよくばだ。」と結論付けた。

我が国の現状じゃないが、カオスの渦に巻き込まれたかのような中山メイン『ボルックスステークス』。
まぐれでもいい!当たってやって欲しいものである。