北新地競馬交友録

贔屓

親バカチャンリン。
余り上品な言葉ではないが、少々出来が悪かろうが、自分の子供は可愛いのが親心。
まして、少し出来が良ければ、末は博士か大臣か!となるのは、市井の人々ならいいのだが………….。
世界中を見渡さなくても、すぐ横の半島の黒電話一族を見れば判る。
国民の事を考えず、己の一族の繁栄のみを願う輩が大きな顔をするのは、独裁国家の特徴である。

商社か何だか知らないが、31歳の鼻垂れ小僧を政務担当秘書官に抜擢するなんて正気の沙汰とは思えない。
そもそも政務担当秘書官は次官級の切れ者が座るポジションである。
世論調査のたびに、支持率がダダ下がりの政権。
選挙でも控えていれば、簡単に吹っ飛ぶレベルだが、不幸な事に3年間国政選挙はない。
いくら決断力がなくても、無能でも、「まあ、真面目にやってっから仕方ねえか。」
それぐらいしか取り柄がないのに、よりによって『親バカ人事』を発令するとは。

おい!身贔屓も大概にしろってぇの!この国はお宅の持ち物じゃ〜ねえんだ。

「え!極!だ、だめだ〜。」
松山Jのウインマーベルは2着を確保したものの、浜中Jのナムラクレアは5着、池添Jのメイケイエールが14着。
無理逃げで最後歩いた国分恭介Jのテイエムスパーダに至っては、堂々のブービーである。
こうなると、「惜しい!」とか「残念!」のレベルではなく、単にマネーを道にぶちまけただけ。

意地でも感染症の分類を5類相当に落とさない国のせいで、塗炭の苦しみを味わっている北新地の盆暗。
大きな顔をして新地をのし歩いているのは、馬鹿もの、し、失礼!若者か、職業が、まるで判らないややこしそうな輩。
メンターゲットである、ナイスミドルの富裕層はまだ首を引っ込めたお亀さん状態だ。
そんな稼業の存続が危惧されるなか、こう毎週馬券が外れては、流石に元気のげの字もありゃしないようで。

「マスターさん、おはようございます。昨日の『毎日王冠』は楽勝でしたね。サリオスの単複いただきました。」は熊本天草出身○原さん。
「あ、そう。俺ぁ短い草鞋を履いてるから見てねえんだ。先週の『スプリンターズS』でつくづく思ったね、この世の中に馬券ほど高くつくものはねえとな。旅掛けして、上手い物をイートしてもたかだか知れている高田浩吉だ。」
「相変わらずギャグが古いですね。60歳以下の人は判りませんよ。」
「別にいいじゃねえか、周りに居てるのはお宅を筆頭に爺さん、婆さんばっかなんだから。元町WINSなんて老人ホームみてぇなもんだろうが。」

「ご機嫌の悪いところ何ですが、今日は馬券買うんですか?」
「ええ、買いますョ。買いますとも。JRAに財産全部寄付するまでな。」
「………………………。無理しなくても競馬は毎週ありますから。」
ヤケのヤンパチ日焼けの茄子の不穏な空気を感じて慰めにかかる○原さん。
自己責任でやられて不機嫌な人間の相手をするのは、大変な事ではあるが、70を過ぎると、そもそも友達とか話し相手が極端に少なくなるのだから、致し方ない面もある。

「発表!『京都大賞典』。ご贔屓スグルちゃんのボッケリーニにお鉢が回って来た。前走の『目黒記念』57.5のトップハンデを背負って勝ち切るんだからてぇした馬だ。このメンバーなら大いばりだろう。」
「お言葉を返すようですが、『浜中Jには損ばかりさせられている。軸には金輪際しない。』と宣言されていたような記憶が。
「たわけ!ボッケリーニに跨った時のスグルちゃんは別人28号だ。」
「鉄人28号のギャグですか。古いな〜。」
「ホットケーキ!単勝2万、複勝3万で今晩那覇のフィリピンパブで騒ぐマニーを出して貰おうじゃねえか!」と結論付けた。

国の浮沈を左右する人事を身贔屓で決める人間は理解を超えているが、やられても、やられても好きなジョッキーを買い続ける競馬ファンはとても良く理解出来る。
浜中J!頑張ってケロ。