北新地競馬交友録

判断材料

7月10日の参議院選挙に向けて各陣営がラストスパートをかけている。
選挙のたびに、毎度、毎度、選択肢がないとはよく云われる事だが、それは結局、薬局、郵便局で言い訳でしかない。
各政党や候補者の主張をじっくり聞いたり、読んだりすれば、「ここだけは入れたくない。」「自分の意見と比較的近い。」「こいつは顔が悪い。」etc。
最後のは冗談だが、何かしらの判断材料はある。

オギャーと産まれて、選挙権を持ってから全ての選挙で投票に行ったかと問われれば、そんな事はない。
若い時の無知故は横に置くとしても、何かしらシラケていたり、「私1人行っても行かなくても。」とうっちゃっていた事も。
その結果がどうなったかと云えば、商売人のように金儲けに血まなこの政治家が幅を利かせ、能力があろうがなかろうが世襲議員が既得権益のように跋扈している。

先の不幸な大戦から復興して、我がJAPANは幸せな時間を過ごして来れたが、いよいよ松本伊代で、呆けているととんでもない事が起きる時代の洗礼を受けつつある。
『なりたい人より、なって欲しい人に』
こう云う理由で、この候補者に投票したとキチンと答えられるぐらい、オツムを動かしてみるのが、この国に産まれた責任でもあると思うのだが…….。

「マスターさん、おはようございます。毎日、暑いですね〜。」は熊本天草出身の○原さん。
「な〜にが暑いだ。そったら事は真面目に働いている人間が云うこった。平日はクーラーの効いている図書館で、のんべんだらりんと新聞を読んで。土日ともなると競馬三昧のお宅にゃ〜関係ないじゃん。」
「これまた手厳しい。何だか荒れてませんか?」

「ええ、荒れてますよ。荒れてますとも。『宝塚記念』で下手を打って、気が付けば前半戦も終了。『よっしゃ!そのまま、そのまま。サンキューベラマッチョ!』なんて事が一回も無かったんだからよ。しかし何だな〜、まあ、こんだけよく外すぜ。生きているのが我ながら不思議だ。世間じゃ物価高だなんて賑やかだが、たかだが油が何百円か上がったぐれぇどうしたってんだ。馬券代と比べりゃ全て誤差だっちゅ〜の。」
日曜日の朝、お約束のボヤキ節が止まるところをしらないマスターなのである。

「まあ、まあ。今日は小倉ですか?福島?はたまた函館?」
「小倉で開催される『CBC賞』てのは変な感じだが、開幕週の高速馬場なら、是非買いたい馬がいる。ズバリ!アネゴハダだ。3走前のフィリーズレビューが1分19秒9のレースレコード決着の3着。前半33秒5のハイペースで後ろからの馬が有利なレースだった。そんな先行馬が総崩れの中踏ん張ったのはアネゴハダだけだ。さすがに距離が1600に伸びた『桜花賞』はしずんだが、1400以下なら、テン良し、ナカ良し、シマイ良し。しかも肌同然の49キロなんだからョ。勝ってください!のボーナスレースョ。」

「単複ですか?」
「もちのロンだ!オッズが割れているから、美味しいちゅ〜の。単複平に2万と5千づつ。貴志もこんなチャンスを活かせねえようじゃ〜明日はねえぞ。」
人の心配をするより自分の心配をすべき北新地の盆暗、選挙と同じでアネゴハダに投票する判断材料はちゃんとあるらしいが………..さて。